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ポジ熊の人生記

雑記ブログの育て方をメインコンテンツに、時事オピニオンや書評などを日々更新中です。

新型出生前診断について~実施病院・費用・世界の動きなど

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ダウン症の子供を中絶すること

胎児がダウン症などと確定の妊婦 97%が人工中絶 | NHKニュース

胎児の出生前診断の結果を受けて、陽性と診断された妊婦のほとんどが中絶を選択しているというニュースが話題に。当サイトでは、新型出生前診断についての情報を記載する。

参考・引用:新型出生前診断 - Wikipedia

新型出生前診断 

無侵襲的出生前遺伝学的検査、母体血細胞フリー胎児遺伝子検査、母体血胎児染色体検査、セルフリーDNA検査などとも呼ばれる、妊婦から採血しその血液中の遺伝子を解析することにより、胎児の染色体や遺伝子を調べる非侵襲的検査である。

 

専門用語が多くて理解するのが困難であるが、平たく言えば生まれる前に胎児に異常がないかを調べるための検査のことだろう。

 

母体の血漿中セルフリーDNAという胎児由来遺伝子をMPSという方法で解析する

 

非侵襲的、ということは開腹するなどメスを入れる直接的なものではなく、母体の血液成分を特殊な方法を用いて検査することになる。2013年の時点では日本では検査解析ができず、アメリカに送られて検査を受けている。

 

費用

健康保険の適応がなく自費扱いとなり、日本国内では20万円程度の負担となる。

 

健康保険が適用されない、つまりは全額負担となる。20万円の負担ということだが、生まれる前の胎児の異常を検査するにあたり、これが高いと捉えるか安いと捉えるかは人それぞれだろう。

 

2014年度には日本国内47施設で1万人の妊婦が検査を受けた

 

ソースは朝日新聞デジタル。なお、2014年の出生数は103万7101人

*1である。このうち検査を受けた人の割合は1%未満といったところで、多数が検査を受けるような一般化は進んでいない。実態自体が広まっていない、保険適用できないためハードルが高い、倫理的問題など様々な要因が考えられる。

 

精度

2014年度の国内実績では、検査で陽性になった295人中、羊水検査で胎児の異常が確定したのは78%の230人であった。異常者が検査を正常として通過してしまう、「見逃し」も17%程度あることが知られている。

 

 「100%」異常を見つけるなどというのは不可能なことで、さらに異常があっても「正常です」と見逃してしまうケースもある。検査を受ける人は、それをもって確実な結果が待っているなどと考えてはいけない。

 

検査を受けて陽性と診断され、その後に羊水検査をすることで「確定」させるような記述にも見受けられる。はて、初めから羊水検査では駄目なのか?という疑問が沸くのだが。

 

一般に妊娠16週以降の時期に実施される。

羊水検査の精度はほぼ100%とされ、母体血清マーカー検査および新型出生前診断後の確定診断として用いられる。

羊水検査 - Wikipedia

 

羊水検査のwikiでは、このような記述があった。16週以降の時期に実施されるのが一般的であるほか、新型出生前診断の確定診断に用いられるという。

 

認定施設一覧(H28/6/8現在70施設)

施設の認定基準は

  1. 産婦人科医と小児科医が常勤で勤務している
  2. 遺伝に関する専門外来を開設している
  3. 遺伝カウンセリングの体勢が整備されている 

 

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日本医学会臨床部会運営委員会「遺伝子・健康・社会」検討委員会 - 母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査:「臨床研究施設」について

 

世界

殆どの国が許容

イギリスでは2004年より、全ての妊婦に対して母体血清マーカー検査が実施されるようになり、国家戦略として胎児の遺伝子異常の早期発見に努めている。

アメリカ医師会も、高齢な妊婦に限らず全ての妊婦に検査を推奨するなど前向きの動きを示す国々もある。

反面

ブラジルやエルサルバドル、モロッコでは、どのような異常があろうとも胎児異常を理由として妊娠中絶は違法であり、妊婦は出産を強いられる。

 

人工中絶者を責める権利は誰にもない

僕は、ダウン症の子供を中絶する妊婦さんを責める権利は、誰にもないと考える。彼女を責めることができるのは、唯一、彼女自身のみ。たとえ配偶者である旦那さんであっても、「なぜ生まなかった」なんてことを言う権利は絶対にない。誰も当事者の苦悩なんて、本当の意味で分かち合うことはできないのだから。

 

人工中絶を推奨しているわけではない、むしろそんなことは無くなったほうが良いと思っている。愛情をかけられぬ子を産むような社会は、是正されて然るべきだし、予防が肝心だろう。人工的に散っていく命を見たい人間などいない!

 

ただ、出産後に社会の一員として子供を含め自分が関わっていく中で、現実を受け入れられずに覚悟もなく過ごし、結果として不幸に終わるなどということがあってはいけないと思うんだよ。

新型出生前診断を受けて、生まれる子供がトリソミーでも、それでも私は何があっても生きていく!これくらい腹が決まったのであれば、今回言及した記事内の「ダウン症の子供のうち8割が幸福感を感じている」という結果は、福音にもなるし、大きな意味がある。

けど、覚悟を決められるほど、強い人ばかりではない。外野はとやかく言うだろう、「命を粗末にするな」だとか「倫理に反する」だとか。でも、ちょっとまってよ。腹を痛めて生むのは、あなたたちなのか?社会に出て、避けられぬ偏見の目を受けつつ、それでも強く生きていくことに、何か助力を与えることができるのか?

宙に浮いた空虚な倫理観で、当事者を責めることは誰にもできない。声高に検査を受ける人や人口中絶者を糾弾する前に、まずは自分自身に倫理を問うべきだ。そして、枝葉について感情で物事を考えるのではなく、もっと根本的な部分に目を向けて社会を変えてゆくべきなのではないか。

 

 

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