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ポジ熊の人生記

雑記ブログの育て方をメインコンテンツに、時事オピニオンや書評などを日々更新中です。

パワハラの定義、過去に自殺者を出した深刻な事例と所感

社会 社会-人間関係


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パワハラと指導の境目で

パワーハラスメント(以下パワハラ)と指導の境目について、グレーな部分が往々にしてあり難しいなと感じる管理人が、過去のパワハラ事例をまとめて所見を述べる。

その前に、パワハラの定義について触れる。

パワーハラスメント

(和製語power harassment)職場で上司がその地位や権威を利用して部下に行ういじめや嫌がらせ。パワハラ。

広辞苑第6版より

 

ここではハラスメントに該当する要件として「上司がその地位や権威を利用して」と定義しているが、厚生労働省は過去(2012年)に

 

上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる

パワーハラスメント - Wikipedia

 

 (上記は内容一部)という定義を提案している。さらに同省は以下のような典型例を示した。

 

・暴行・傷害(身体的な攻撃)

・脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)

・隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)

・業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)

・業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)

・私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害) 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000021i2v-att/2r98520000021i4l.pdf

 

次は過去のパワハラ事例からいくつかを箇条書きにして書き出してみる。

 

過去に自殺者を出した深刻な事例(一部)

秋田県警にて

  • 48歳男性警部
  • 上司の副署長から大声で叱責を繰り返される
  • 2005年2月に自殺
  • 元副所長を本部長訓戒処分

日本経済新聞 2014年3月2日より

日研化学(現・興和創薬)にて

  • 男性会社員
  • 自殺
  • 東京地裁が初の労働災害認定(原因は上司の暴言にあった)
  • 労働基準監督署が労災として認めなかったため争われていた裁判
  • パワーハラスメントに起因する自殺を労災と認めた初の司法判断

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail6?id=37800

前田道路にて

  • 当時43際の男性社員
  • 上司に何度も呼び出され「この成績は何だ」「会社を辞めれば済むと思っているんじゃないか」などと叱責
  • 自殺
  • 労働基準監督署は、これを労災と認定
  • 自殺した男性は、下請け会社への未払いの工事代金まで家計から穴埋めしていた

 読売新聞2005年10月28日より

大東建託にて

  • 当時42歳の男性社員
  • 担当したマンションの建築工事における損失の一部約360万円を自己負担するよう会社側から強要
  • 精神的に追い詰められて自殺
  • 遺族が損害賠償を求め同社を静岡地裁に提訴
  • 労働基準監督署(静岡県島田市)は労災を認定

共同通信2009年11月24日より

飲食店チェーン「サン・チャレンジ」にて

  • 店長として勤務していた当時24歳の男性
  • 1日当たりの勤務時間が12時間超過
  • 休暇もほとんどとれず
  • 上司から暴言や暴行を何度も受ける
  • 自殺
  • 遺族が会社や上司を提訴
  • パワハラ等以外の原因は認められないとした上で、サン・チャレンジに対し約5,800万円の支払いを命じる

毎日新聞2014年11月5日より

警視庁蒲田警察署にて

  • 地域課の男性巡査長
  • 署内のトイレで拳銃で自殺
  • 上司の男性警部補が「身の振り方を考えろ」などの暴言を吐くなどして辞職を強要していた
  • 警部補を減給処分
  • 当時の地域課長や署長についても訓戒や口頭注意の処分

 毎日新聞2014年4月22日より

福島県警にて

  • 捜査2課課長補佐の51歳の男性警部と、その上司である指導官の52歳の男性警視が相次ぎ自殺
  • 県警が調査、当時課長である45歳の男性警視が「小学生みたいな文章を作るな」「あんたは係長以下だ」等の暴言を浴びせていたことが判明
  • 当該課長を戒告処分、県警警務部付に更迭

 毎日新聞2014年6月27日より

 

参照元:パワーハラスメント - Wikipedia

 

所感

今回挙げた事例以外についても一瞥してみたが、小学生のいじめがエスカレートしたような幼稚な内容も見られる。だが、うつ病になったり退職に追い込まれる人が多数いることを考えれば深刻な問題である。

 

それにしても、警察内部のパワハラについては処分が総じて甘い気がする。これで懲戒免職にならないのは、いかがなものか。外部から見えにくい閉鎖的な環境だからこそ、このようなことが頻発するのだろう。しかし、遺族の感情を鑑みると、これが妥当な処分とはとても思えない。どのような組織であろうが厳正かつ公正に対処して頂きたいものだ。自衛隊や海保、消防なども然り。

 

難しいと感じるのは「指導」との境目である。金銭を強要したり暴行を加えるのは論外であるにしても、指導側が叱責だと考えていた行為が受け手側にはパワハラととられることも十分に考えられる。こうなると教えるにしても防衛線をどこかにはらなければ、身を滅ぼすことに繋がりかねないなと。

 

労働者は弱い立場であり、それが法律や司法によって守られる社会であるべきなのは言うまでもない。壁の中、組織の中で不可視な場所において立場上の優位さを振りかざして人を追い詰める権利などは、誰にもない。ただ、守られた労働者がそれを盾にして逆手にとるような形で会社側に恣意的に損害を生じさせる権利もまた、認められていないわけで。難しい話。雇用側と被雇用者側の権利の境目で、人命が散るような最悪の事態に陥らぬような妥当なラインを探っていく必要があるのかもしれないな。

 

ちなみに、僕は新人に対して大声で叱責するような指導はしない。また、箴言するにしても第三者の目のないところでマンツーマンで本人に伝えるようにしている。自分の身を守るという意味ももちろんあるが、ネガティブに追い詰めても指導側、被指導側のどちらにもメリットがないと考えているからである。

 

時代の変化はあるらしい。「昔は厳しかったんだぞ」なんていうおじさんもたくさんいるけど、何を言っているのか、何を伝えたいのかすら良くわからない。「昔がどうだったから、今もこう、というのは理論が破たんしていますよ」なんて心の中で思うが、毎回しまい込んで愛想笑いして終了。おじさん、今は下手に厳しくするとパワハラになって事件になりますよ。

 

本記事で取り上げた事例は、こことは次元が違う話かもしれない。指導とパワハラの境目、というよりは暴行と強要だね。ちょっと話がずれてしまったか。

 

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