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ポジ熊の人生記

雑記ブログの育て方をメインコンテンツに、時事オピニオンや書評などを日々更新中です。

3つの無縁が生む貧困とは?最貧困者に陥らぬためには教育が必要

社会


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鈴木大介氏による貧困報道のあり方に関する記事が話題になっている。

昨今の「貧困コンテンツ」ブームが危険な理由 | 「貧困報道」は問題だらけだ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

彼の著書『最貧困女子』からは多くのことを学ばせて頂いた記憶があり、過去に同書籍についての記事を書いたこともあるが、今回は改めて貧困に陥る3つの要素と、自分の子供が貧困に陥らぬために必要なことを考えてみたい。

3つの無縁

貧困が生まれる要素3つを端的に述べる。

家族の無縁

困窮した際に経済的・精神的に助け舟を出してくれる家族や親類がいるかどうか、これは貧困に陥るかどうかのふるいにおける非常に重要なファクターとなる。どんなに社会で失敗しても、家族が無償の愛を提供するような模範的なものであれば、ドロップアウターとして裏道を行くこともなく、再起を図ることも容易であろう。

しかしながら、そのように恵まれた環境にある者だけではない。子供に対して最低限度の援助すら拒む家庭も少なからずあり、そこに立たされた者は「家族の無縁」に晒されることとなる。

地域の無縁

家族以外でも地元の友人など、援助してくれる繋がりがない人はこの「地域の無縁」者となる。家に引きこもって友人との交友がほとんどない方は、家族の縁には恵まれたが他の社会と断絶されてしまっている状況にあることが多い。逆に家族の縁に恵まれなくとも、友人関係で強固な繋がりを持つことができれば、ネットワークを形成して低所得でも食いつないでいくことは可能かもしれない。

マイルドヤンキーをここに一くくりにするのは乱暴かもしれないが、カテゴライズするとすればこの縁が強いものがそうなりやすいのではないかと推察できる。社会的地位の高い職業に就かなくとも、地元のコミュニティに積極的に参加することで社会性を獲得することができるのだ。

制度の無縁

今回、強調したいのはここ。離職したり何らかの都合で就労が難しくなった際、行政に対して生活保護であるとか失業手当の支給を請求するなど、現行制度を把握して正当な要求をするための「知識」である。ここに無縁となる決定的な要因は、その制度を学ぶプロセス自体が欠如した「無教育」だ。

前述、家族や地域の縁に恵まれたものは、その関わり上で発生する情報伝達などで何となく生きてゆけるのだろうが、その2つの縁を持たぬものがどうやって無力な状態で社会を生きていけば良いのかという時に、制度についての知識の有無がアドバンテージになるということは言うまでもないだろう。

鈴木大地氏『最貧困女子』の序盤では、家族の縁・地域の縁・制度の縁に恵まれなかった最貧困女子がモデルとして登場するが、彼女の場合は制度を適切に利用すれば自分の身体を切り売りするような性産業に身をやつさなくとも食べていける状況であったにも関わらず、「自分で頑張ります」の一点張りでいうことを聞こうとしなかった。制度をどのように利用したらいいか、の前段で「制度を利用するかどうか」というそもそもの話で躓いてしまう。教育を受けぬということは、このような思考に陥る恐ろしい素地を作り出してしまうことになりうる。

自分の子供が最貧困に陥らぬためにはどうしたら良いだろう。このことを考える良識のある親であればこの時点で「家族の縁」は発生するのだろうし子供が絶望の淵に立たされることもないのであろうが、いつまでも親が健全であるとは限らない。明日には何らかの原因で鬼籍に入らないとも言えぬだろう。であれば、自分が元気なうちに幼少期からしっかりと教育を施すべきである。国語や算数、道徳も必要であろうが、この国で生きていくために利用できる社会的制度について、段階的にかみ砕いて子供に教えてあげよう。

知識は、社会で生きていく力になる。その素地を作れるかどうかは、親の肩にかかっているといっても過言ではないと思う。

編集後記

冒頭の言及記事で鈴木氏がメディアの貧困報道に対するあり方について疑問を呈している。「貧困コンテンツは消費され、見られなくなるだろう」と。でも、僕はそれは違うと思う。これからは貧困者の割合はますます増える。貧富の差は現在進行形で開き続けているからだ。そうなれば、社会も「貧困」について綺麗な上澄みをさらうだけでは終われなくなるに違いない。

今は半ば大衆娯楽として扱われているテーマだって、そのうちリアルな最貧困状態を映し出さざるを得なくなるはずだ。その前段として現在のように貧困が話題になっているわけであり、これは地獄を直視するための導入段階なのではないかな。

現時点では面白おかしく扱われているにしても、その水面下にある悲惨な現実があるからこそ、上っ面を取り上げることができている。消費が進んで見向きもしなくなる、なんてことはないよ、安心したら良い。だって、大衆の身近なところに、貧困は迫っているのだからね。それを見ないようにしても、嫌でも目に入る様になる。

今後とも鈴木大地氏にあっては貧困の最前線をルポする信頼のおけるライターとして活躍して頂きたい。あなたの活動は、確実に世間に最貧困の惨状を見せつけ、それについて考えざるを得ない態勢を作りつつある。

 

 

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