サラリーマンの皆さんに質問です。
45歳で定年退職したら、人生、ハッピーですか?
「45歳定年制」を実現させたいなら: H-Yamaguchi.net
- [労働]
“自らのキャリアをどんどん切り開いていけるごく一部の優秀な人材「でないふつうの人々」が、定年以降どのように生計を立て、子どもを育て教育を施し、もって経済を支えていくのか”
2021/09/12 09:28
YESと答えた人はおめでとう。今の仕事は、退職後も潰しのきく職業だったとお見受けします。もしくは、現職中、潤沢な貯金と、かなりの額の退職金をもらえるか。どのみち、幸運なことには変わりありません。
NOと答えた人。はい、私も含めてなんですけど。こういう人たちの救済を、45歳定年退職という案にほとんど想定されていないようにも思えます。
「45歳で会社を辞めても困らないような人生設計をしなかったお前らの自己責任だろう」と真顔で言ってくる人も少なからずいるでしょうし、そう考えるのも仕方ない。この国が、こういった発想をしてしまうよう国民を教育してきたわけですから。
人生は運不運という意味で「親ガチャ」は的を射ている - 羆の人生記
僕は「人生の幸不幸は運次第」論者です。
一生懸命、努力していい大学に入って、一流企業の出世コースを駆け上がる人も、運がいいのです。一生懸命、努力をするという才能に恵まれた。そして、それを許してくれた親や環境にも恵まれたわけですから、幸運続きにも程があるわけです。
全然、努力をしなくて、学歴もなく薄給のブラック会社に入社、身も心もボロボロになって生活保護を受けなければ生きていけない、あるいは闇社会に紛れて生きざるを得ない。こういう人も結局は運だった。努力する才能に恵まれたわけでもなければ、なにか助けになるような縁や環境もなかったわけです。
個々人のスペック、才能によって、その後の人生は大きく変わります。それは、親からの遺伝も大きく関わってきます。それでもなお、自己責任と言えるのかどうか。これに納得のいく筋が、僕にはどーも見出せないのですよ。
話は45歳定年制に戻りますが、才能があって45歳で新たな人生の転機を迎えられる人は、運がいいからそうなのであって、決して、国が構築したシステムがそれをさせているわけではありません。個人のスペックに頼った、心もとない制度です。
才能もないのに、都合のいい足切りのように、何の力もなく荒野に投げ出された45歳。これも国の責任ですよ、45歳からでも人生やり直せるような世論があって、制度がしっかりしていれば、今この瞬間、会社に辞表を提出しに行く人が続出するんじゃないですか?でも、それができないのは、とてもやり直せるような社会じゃないからでしょう。いちど、レールから外れたら、戻るのが難しいのが日本だって言いますが、これはとても恥ずかしいことですよ。誰でも、いつ何歳からでも、再起を図れる制度が構築されている国こそ先進国です。
妄想しますけどね、45歳で定年退職して、その後はゆるりとしたお仕事で趣味に精を出す人生なんてのを。あと5年後ですよ僕は。あと5年でこの役務から解放され、ストレスの少ないお仕事で墓場までいけるなんて、夢でしかありません。妄想するしかない。宝くじに当たったらどうする?に準じるくらいの夢。でも、そうは問屋がおろさねえわけです。あと、30年は身を粉にして働かなくては。だって、ノースキルで荒野に放り出されたら、あとは死地へ赴くだけじゃないですか。そんなのはまっぴらごめんなんで、会社にしがみつかざるを得ないわけです。
ここまで書いといてアレですが、まぁぶっちゃけると僕は45歳で辞めれって言われても人生楽しく生きていく自信はあるし、むしろ今の会社にいないほうがなんか伸び伸びといろんなことに挑戦できて、自分の能力を最大限に活かせる気はします。少なくとも、能力に応じた給料ではないです。
でも、こうやって思える人が多数派ならいいんですけどね、そうじゃないでしょ。少数派でしょ。皆が45歳で定年を迎えてハッピーになれる社会。その基礎を作らずしてこの案は、経営者の詭弁を許すことになりますよ。