羆の人生記

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アニメ「僕だけがいない街」ネタバレ感想【僕街】

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画像引用:公式サイト

 

AmazonプライムビデオのTOPページを何気なく流してたら目に入った同アニメ。「どんなもんかな?」ってポチーとやってみたら、あら、止まらない。

 

ノンストップで観ちゃいましたー!!

ノンストップで観ちゃったアニメは「涼宮ハルヒの憂鬱」「サイコパス」以来で大ヒットです。

今回は感想を書きます。ただ、どうしてもネタバレ成分は含みますので、未だ観てない方はご注意を。

ストーリー

29歳の漫画家志望男性、うだつのあがらないバイト生活だが、主人公にはある特異な能力が備わっていた。

「リバイバル」

嫌な予感ののちに1分~5分の時間を遡る。そして、それから起こる凶事を未然に防ぐことができる。

ま、ようはタイムリープの能力があるってことです。それで、事故や凶悪犯罪を防ぐことが、主人公には可能なんですね。

1分~5分はそんなに長くないですが、ある日、母親が何者かに刺されて殺された直後に起きたリバイバルでは、なんと18年も前の小学校3年生時代に遡ってしまう。

そこから始まる、壮大なサスペンスの幕開けです。主人公は幼い頃の同級生3人の命を、果たして救えるのでしょうか・・・?

 

ごめんなさい、これだけじゃちょっとわかんないですよね、ストーリー(笑)

タイムリープのサスペンスもの、といえばそれまでなんですけど。ほんと、ふっしぎな魅力を持ってるんですよね~、「僕街」は!

 

何が面白いの?

コマの進め方、というか間の取り方、というか。そういうのが上手い。プレゼンテーションでいうところの、聞き手が眠くならない抑揚のついた声調で行うような、そんな技巧的なパワーをこの作品からは感じます。ま、社会派の本格アニメである「サイコパス」等を手掛けたノイタミナですから、ここらへんは折り紙付き、といったところでしょう。ノイタミナへの信頼感は個人的に高いです。

んで、次なる魅力の源泉は「日常パートで引き込まれる」ですね。北海道の大地を舞台に繰り広げられる、気の置けない仲間同士のほのぼのとしたやり取り、小学校時代を彷彿とさせる給食の鍋運搬シーンなどなど、思わず画面の中に入ってしまったかのような、没入感をこれでもかとばかりに生み出してくれる。「・・・は、そういえばアニメ見てたんだわ」くらいの感覚がリアルに引き起こされる引力があるんですねぇ~。

本成分であるサスペンスも、もうスリリング、スリリング。正体の知れない謎の殺人鬼との攻防は、思わず息を飲むほどですね。心理的駆け引きが半端ない。29歳の男性が頭脳はそのままに小学校3年生となって、未来の凶事を避けるために悪戦苦闘する様は、無意識に体が前のめりになって応援してしまうことでしょう!

各キャラクターの個性が見事に立っていて、それでいて喧嘩をしない。それぞれがそれぞれの眩いばかりの光を放っていて、そこに心を囚われてしまう。見事に、グイっと掴まれるんです。僕はまぁ王道ですが主人公の悟が大好きになっちゃいましたね。健気で、真っすぐで、徐々に自分を開いていく彼の生き様?は何度も胸を熱くさせました。次いで、加代ちゃんですかねぇ。ここらへんは後ほど語りましょうか。

で、クドくないです。胸焼けしない。しつこくなる前に、物語は閉幕する。意外とあっけなくも感じるくらいですが、これまた塩梅がいいんですよね。

いや~、最近の若い子に言わせれば「このアニメ、やばい!やばい!」っていうんでしょうね。面白いって意味で。けど、僕もあまり変わりませんね(笑)そこまで語彙が豊富じゃないので、このアニメの良さをなかなかうまい言葉で表すことができません。けど、これが精いっぱいの感想なんです。

 

さて、ここから先はインパクトの強かった2人を紹介。

 

藤沼佐知子

息子である主人公に「妖怪」認定される美魔女のお母さんです。

 

f:id:pojihiguma:20190622204945p:plain←1988年

 

f:id:pojihiguma:20190622205009p:plain←2006年

 

妖怪ですね。

 

画像引用:https://bokumachi-anime.com/character/

 

荒木飛呂彦先生を彷彿とさせます。

こんなお母さんが欲しいです。

 

その年を食わぬ魔力を秘めたお母さんですが、観察眼もずば抜けています。もとは報道の仕事をバリバリしていたようですが、息子である悟のために育児がおろそかにならないパートタイマーで仕事に行き、キャリアを捨てたのではないか?と見ています。ここらへんは小説版や実写版で語られているのでしょうか?わかりません。

 

で、観察眼で物語の核心に、第1話で早くも迫ってしまうのですが、鋭さが仇になって真犯人に殺されてしまいます。ここから、悟の壮大なリバイバル及び数奇な運命が幕を開けるわけですね。リバイバル後も佐知子さんは物語において重要なパーソンとなります。彼女の一挙手一投足には、目が離せない。すっごくキャラが立っていて、サスペンス要素を何倍にも濃くしてくれるキャラクターなんです。初登場時、おもむろに北海道弁で語り出した際は「お、これは北海道をテーマにするのか!?」と、生まれも育ちも北海道の僕は胸をときめかせたのでありました。

 

かなりネタバレしますが、最後のリバイバル後に悟が低酸素脳症で意識が戻らず十数年間も過ぎた際は、佐知子さんが日々マッサージを行ったり懸命で献身的な看護を行っているシーンが見られます。ここは、このアニメの中の泣き所の一つと言えるでしょうね。

 

雛月加代

なんで?

なんでなん??

なんで加代ちゃんヒロミと結婚してしまうん???

 

という怨嗟は是非ともアニメを観て、諸兄におかれましてはこの感覚を共有していただきたく存じます。それほどまでに、雛月加代という存在はアニメを見るもの(主に男)全てを虜にしてしまうのです・・・。

 

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加代ちゃーーーーん。

画像引用:公式サイト

 

連続殺人の最初の被害者にして、凶事の予防という意味では最大のハードルとなる彼女。悟はリバイバルで過去に戻り、彼女を庇護することになりますが、その最中で少なからず恋慕の情を抱いていたことは、アニメを観た諸氏においては論を待たぬところでありましょう。

 

しかし!なんということでしょう、最後のリバイバル後、悟が意識を取りもどしたあとに悟の所を訪れた彼女は、なんと既婚、さらに子連れ、そして相手はあのヒロミというではありませんか。

 

この事実、放映初期からずーっと温かい目で見守ってきた悟×加代カップリング推しメンの心をボッキリ折るには申し分ないインパクトがあったのだと思います。ええ、思いますとも・・・!

 

で、どして彼女はここまで魅力的なのか?

 

作中では被虐児として描かれています。かなりエグい描写が続きます。共感力の高い方は視聴の継続が難しくなるかもしれない。それほどまでに壮絶です。そんな彼女ですが、悟の必死の庇護とアプローチにより、徐々に人の温かさを知り、体重を預けていきます。人らしくなっていくのです。

 

んで極めつけですが「馬鹿なの?」というシニカルでありながらそれでいて愛に溢れる彼女の口癖。これが随所に登場しまして、youtubeにおかれましては「馬鹿なの?」まとめが人気を集めるまでに、ご褒美感ある罵声が彼女のトレードマークになっている。これも魅力の一つでしょう。

 

そんな彼女は庇護欲を満たすには十分な存在であり、それが儚くも連続殺人鬼の手にかかってしまうという途方もない無力感を醸し出すという反則的な展開もアリーの、で、いつのまにか雛月加代のファンになっている、いや、洗脳されている、という寸法なんですわ。怖い怖い。

 

うだうだと述べましたが、何を隠そう、「僕街」で一番好きなキャラクター、それは雛月加代ちゃんです。もうダントツの一位です。結婚したいです。幼児性愛趣味はないです、念のため書いておきますけど!

 

で、少し真面目な話に戻りますが、彼女の母親はDV野郎なんですが、さらにその親(加代の祖母)が出てきて、母親に謝るシーンがあるんですね。DVは哀しくも連鎖していたんです。そこは正直、泣きましたね。もうすぐ40になるおっさんが、ボロボロ泣いちゃいました・・・。加代は、祖母が母親に暴力を振るうとき、母親をかばっているんですね。子供は、どんなに辛く当たられても、暴力を振るわれても、母親を庇うんです。なんというか、いたたまれない。

 

こういうシーンを見ているからでしょうか。加代がヒロミと結婚して一児をもうけ幸せに暮らしているシーンを観た時は、嫉妬よりもまず「良かったね、加代」という感情が湧き起こる。悟が滝のような涙を流した理由、わかる気がします。

 

シングルマザーの一家が2組、そのうちひとつは猛烈なDV。この舞台背景からわかるとおり、このアニメはかなり社会派というか、社会問題の一端も取り上げているというのが特徴的です。児相も出てきますよ。

 

胸をえぐるアニメ(おわりに)

僕の胸をこれでもか!というくらいにえぐっていったアニメ、それが「僕だけがいない街」です。

ちなみにこの表題、雛月加代の文集のタイトル「私だけがいない街」から、とられているんですよ。ここらへんも、要チェックです。心にしみるエピソードですから。

さてさて、1話を観ただけでノンストップで12話まで観てしまうアニメというのは、正直僕の中ではかなり類まれなんですね。もともと、そこまで重度のアニメ好きってわけじゃないんです。カジュアルにアニメを観るくらい。の僕がここまでガッツリと持っていかれるということは、もう本物認定してもOKって判断したんですよね。

つまり「布教に値する」ってことです。もし、誰かに、最近どんな面白いアニメを観たか?と聞かれたら迷わず答えるレベルです。何なら僕の家で観ますか?くらいの布教をやっちゃいます。それくらいに好きになった。

今回、語ったことは凄く偏っていると思います、というのは紹介した個別の感想として悟の母と望月加代ちゃん(俺の嫁)くらいでして、本当はもっと、もーーーっと物語の深い部分で紹介したり語らなければいけない部分がこのアニメにはあると思うんです。けど、主に勢いに任せて書いている当サイトの感想文としては、これくらいが頭打ちかなって。

 

なので、是非とも実際に観てください。ガチでおすすめ。

 

 

 

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