今回はFasting(ファスティング)とは何かを書きます。
「Fasthing」を辞書で調べた結果
断食
[名](スル)《「ファースティング」とも》断食。絶食。
[名]断食,絶食
以上のようになりました。
平たく「断食」ですね。
断食というと過酷な苦行を思い浮かべがちですが、こと、最近流行のファスティングにおいては大変カジュアルに扱っている印象があります。
だからといって、危険な行為をあたかも安全かのように語るレトリックではなく、科学的根拠のある健康のためのいち手法として扱うからこそ、このような文脈で語られるのかなとも感じますが。
簡単に説明すると
食事と食事の間隔をあけることによって、体重減少を始め血圧の低下、心血管障害の予防、認知症やアルツハイマーの予防、果ては長寿まで。
旧来の1日3食をしっかり食べるという概念を打ち砕き、科学的根拠に基づいて不食の健康効果を謳うもの。その行為。
以上を総称して「ファスティング」と呼びます。
ファスティングの歴史
- 紀元前460年~紀元前375年 医学の父ヒポクラテスが信用し、指示していた治療法に「ファスティング」がある
- 西暦46年~120年頃 古代ギリシャの著述家・歴史家プルタルコスもファスティングについて肯定的
- プラトンとその弟子アリストテレスもファスティングの支持者
- 1493年~1541年 毒物学の創始者にして近代西洋医学の父の一人といわれるパラケルススも、ファスティングは最も優れた治療法であり、体を内側から治すものであると指摘
- 1706年~1790年 アメリカ建国の父であるベンジャミンフランクリン「最良の薬は、休息とファスティングである」
以上のように、はるか昔、哲学が興った頃より古代ギリシャ人たちにとってファスティングは認知度を高めるものであり、効果の高い治療法として認識されていました。その後も多数の知の巨人がファスティングを支持していたことも記録に残っています。
<参考>
日本におけるファスティングの歴史
- 1880年代以降、東京帝国大学の研究者が断食中の患者の治療プロセスを観察しその作用機序の解明に取り組んだ。その後、同大学の別の研究者により断食による消化器疾患の治療効果に関する研究が進められる
- 大正から昭和初期にかけて大阪大学、東京帝国大学、京都帝国大学の各医学部の研究者らが断食を自ら体験したうえで多くの患者の治療に採用、顕著な効果が見られたことを報告
- 昭和30年代、東北大学の産婦人科や九州大学の心療内科でも断食療法がおこなわれるようになったほか、大阪大学・奈良医科大学・岐阜大学・東京医科歯科大学・岩手医科大学・名古屋大学・北里大学など全国各地の大学の医療関係者が集結し断食療法の研究に取り組むようになった
- 1968年に発生したカネミ油症事件で、断食が患者の症状回復に劇的な効果をもたらすことが実証
<参考>
現代における健康増進を目的とした「ファスティング」については、2016年にオートファジーで日本人がノーベル生理学・医学賞を受賞したことが認知度向上のターニングポイントになっていると思われます。
2016年、大隅良典(当時東京工業大学特任教授他)は、オートファジーの仕組みを解明した功績からノーベル生理学・医学賞を受賞した[24]
その時期の前後に多数の書籍が上梓され、毎年、新しいものが生み出されていることから、今後もファスティングは食生活様式のひとつとして広まっていくでしょう。
- 船瀬俊介の船瀬塾 「ファスティング(断食)」~1日3食キチンと食べてはいけない 船瀬俊介 (出演)-2015/6/15
- 4日間で脂肪だけをキレイに落とす本 筋肉が落ちない究極の楽やせファスティング Kindle版 坂田 武士 (著)-2017/8/23
- 「空腹」こそ最強のクスリ Kindle版 青木 厚 (著)-2019/1/26
- 間欠的ファスティング Kindle版 菊池尚樹 (著) -2020/3/7
- 人生が好転するファスティングー自分史上最高のあなたに変わる現代断食 単行本 –島田 旬志 (著) -2020/3/10
- トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング Kindle版 ジェイソン・ファン (著), イヴ・メイヤー (著), メーガン・ラモス (著), 多賀谷 正子 (翻訳)-2020/3/12
- GB 1DAY CLEANSE SET たった1週間のファスティングプログラム!!-2020/5/19
- 断食でマイナス10歳: セレブ達の最強アンチエイジング (綺麗ブックス) Kindle版 林元 政子 (著)-2020/7/1
- 医師がすすめる 少食ライフ Kindle版 石黒成治 (著)-2021/5/31
以上はファスティングに関する書籍のほんの一部を上梓年月日の古い順に並べたものです。
どれくらいの期間でファスティングと呼べるか
さて、どれだけの期間を断食すればファスティングと呼べるのでしょう。参考書籍を紐解くと
数時間のファスティングでさえ怖いと思っている人がいるのは知っている。
「トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング」第1章より
と、あるように、数時間だろうが数日だろうが、断食期間を総じて「ファスティング」と呼んでいる。なので、期間によって定義はなさそうです。
ファスティングの意味は?
言葉の意味ではなく、行う意味について記載します。
ファスティングについて一言で説明するとすれば、ホルモンの働きを整えるものである、といえるだろう。単なるダイエットではない。ファスティングをすると体内のコントロール機能がリセットされ、生命を維持するために必要な量のエネルギーを燃やせるようになる。
「トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング」第1章より
ジェイソン・ファン氏によると、ファスティングは単なるダイエットではないとのこと。 ホルモンの働きとは主にインスリンを指しており、それに拮抗するホルモンのことも含むようですが、これはまた別の機会に。エネルギーのくだりは基礎代謝のことを指していますね。これも別の機会に記載します。
ある人にとってみれば単純にダイエット目的だろうし、知識のある人にとってみればダイエットの一言ではくくれない効果をもたらす食事法(生活法)とも言えるでしょうね。
自分が高校の肥満時代に行っていた無意識なファスティングはシンプルにダイエット目的でしたけどね。結果は目的を完全に果たせたという意味で成功なのですが、あの期間はどうもダイエットだけではなく別の恩恵を受けていたようにも思えます。詳細は
超肥満激やせダイエット成功例【120キロ→75キロ】 - 羆の人生記
に記載しているので参照してください。
なお、ファスティングは2型糖尿病やアルツハイマー型認知症、高血圧や高脂血症など様々な疾患を軽減する研究結果もあり、さらにオートファジーという生理的な仕組みを発動するなど多様な健康効果をもたらすため、これらの効果に期待して行うことにも意味はあるでしょう。
また、食事にとらわれないライフスタイルの確立、食費を浮かすための経済的理由なども、ファスティングを行う意味に含まれても不自然ではないです。
自分にとってファスティングとは
太らず、スタイリッシュな外見を維持することが自尊心、自信、自己肯定感に繋がるという考えをもっているので、プロポーションの維持というのが最も意味が大きいように感じます。
次点で食事に縛られない生活をしたい、という理由。朝起きたら何か食べなければいけない。会社で落ち着かない環境で昼食を食べ、午後は眠気と戦いながら仕事をしなければいけない。夜は軽めの食事で体重増加を防ぎながら、大好きな晩酌もしなければいけない。こういう3食ありきで生活するというのは、食事に人生をコントロールされているようで、不自由に感じるのです。だから、自分のペースで、ある程度の時間を空ければいつでも好きなタイミングで食事ができる今の環境が大変気に入っています。
ほかにも食費が浮いたり、オートファジー等による健康的な恩恵を受けるなど副次的な産物は得ています。血圧も正常値になりました。血液検査の結果はこれからですが、楽しみにしています。
今後、ファスティングを取り入れた生活を続けていく中で、年をとり、ファスティングに対する姿勢や意識も変化していくとは思いますが、今はこのような理由で行っている。これが自分にとっての「ファスティングとは」の回答ですね。