虐待で死んでいく子供たちがあとを絶ちません。
むごたらしく殺されるために彼(彼女)らは生まれてきたのでしょうか?
そんなわけがありません。もっと生きたかったと思う。
彼らに抗う術はないのです。周りが助けてあげるしかないのです。
今回は厚生労働省のHPから、虐待について学びました。
参照元
児童虐待の定義
身体的虐待
- 殴る
- 蹴る
- 投げ落とす
- 激しく揺さぶる
- 火傷を負わせる
- 首を絞める
- 縄などにより一室に拘束する
など
性的虐待
- 子供への性的行為
- 性的行為を見せる
- 性器をを触る又は触らせる
- ポルノグラフィの被写体にする
など
ネグレクト
- 家にに閉じこめる
- 食事を与えない
- ひどく不潔にする
- 自動車の中に放置する
- 重い病気になっても病院に連れて行かない
など
心理的虐待
- 言葉による脅し
- 無視
- きょうだい間での差別的扱い
- 子供の目の前で家族に対して暴力をふるう(DV)
など
どれも酷いものばかり・・・
躾のつもりでこれらに該当することをやっている方はいませんか?
それは立派な虐待ですよ。家に閉じこめるのも虐待ですからね。
児童虐待の現状
平成24年度、児童相談所に寄せられた相談の対応件数は、平成11年度(児童虐待防止法施行前)と比較すると5.7倍に増加(66,701件)しています。
右肩上がりですね。児童虐待防止法が施行されたのは平成11年ですから、今まで氷山の一角であった児童虐待が露見することで増えたデータでもあるでしょうが、それにしても増えすぎです。
以下は児童相談所に寄せられた平成24年の相談対応についての内訳です。
一番多いのは殴る、蹴るなどの身体的虐待です。衝動的になった人間は、このように物理的な攻撃を弱者に加えてしまうのですね。
次点で心理的虐待ですが、これも健全な精神の醸成を著しく阻害するでしょう。
実母が最多で約3割を占めています。母子家庭は多数存在するため、相対的に実母の虐待が増えるのは必然といえましょう。複雑な家庭環境が虐待を生んでいる可能性も否定はできません。
次点で実父ですね。家長で力も強く、暴力的に訴えれば誰も抗うことができない。大昔の家長制度が未だに悪いものをひきずっている可能性もあります。
実父以外の父ですが、これは事件で露呈しやすいパターンですよね。こういったケースのほうが世間の注目を浴びがちですが、実母のケースが実際は圧倒的に多いことから、虐待が不可視化されやすいことを示しているデータでもありましょう。
虐待の大半が12歳未満という現実。
弱いものをいたぶる非道なふるまいがデータになっていますね。
そして、虐待死は高い水準で水位している・・・
今後の虐待に対する課題と施策
発生予防について
課題
虐待にいたる前のレベルで適切な支援を(育児孤立化・育児不安防止)
対策
- 乳幼児家庭全戸訪問事業
- 養育支援訪問事業
- 地域子育て支援拠点(集いの場)
- 虐待防止意識の啓発
- 相談しやすい体制の整備を
早期発見・早期対応
課題
虐待が深刻化する前の早期発見・早期対応
対策
- 虐待に関する通告の徹底
- 児童相談所全国共通ダイヤルの周知(0570-064-000)
- 児童相談所の体制強化
- 市町村の体制強化
- 研修やノウハウの共有による専門性の強化
- 地域ネットワークによる連携の強化
子供の保護・支援、保護者支援
課題
- 子供の安全を守るための適切な一時保護の必要性
- 親子再統合に向けた保護者への支援
- 社会的養護体制の質・量ともに拡充が必要
対策
- 一時保護所の拡充
- 社会的養護体制の拡充
- 親子再統合に向けた保護者への支援
- 親権に係る制度の適切な運用
国も虐待に関しては現状把握と課題、そして対策を打ち立てながら強化に取り組んでいるようです。
子供の命を守るための通報
- 近所から子供の泣き声と大人の怒号が毎日聞こえる
- 季節感のない服装で玄関前に放置されている
- 異常に痩せている(病気の可能性もある)
- 服がぼろぼろで洗う様子もなく、極度にみすぼらしい
- 顔や腕などに異常な青あざが頻繁に見受けられる
こんな子供、近所にいませんか?
その子は虐待を受けている可能性があります。
「うちの子じゃないから知らない」そう思えますか?
では、もしその後、その子が虐待死したことを耳にしたらあなたはどう思うでしょう。僕なら絶対に後悔すると思います。自分が少しの勇気を出して行動していれば、あの幼い命を救えたかもしれない、と。
虐待と思われる事実を知ったときには通報してください
子ども虐待を発見したり、著しく子どもの様子が変だと感じたら、児童相談所(児童相談所共通ダイヤル189)や市町村の担当窓口、福祉事務所に通告をしてください。
あなたにできること | 子ども虐待について | オレンジリボン運動 - 子ども虐待防止
こちらのサイトでは児童虐待についての情報を総合的に扱っていますので、参考にされるとよいでしょう。
自分のお子様を含め、子供たちの命は我々大人で守りましょう。
子供は親を選べず、そしておやには抗えないのです。
虐待を受けるべき子供などいないのです。
どうか、少しの勇気で通報を。
あなたに救える、小さな命があります。
あとがき
2017年4月22日追記
人生は運です。
容姿や頭脳の遺伝子を選択できません。
障害を100%回避できません。
そして、生まれる家(両親)を選べません。
被虐児は、不運です。
虐待する両親も、生育上なんらかの問題がある場合が多いです。そんな両親のもとに生まれてしまったのですから、虐待を受けるのも不運と言わざるを得ない。生まれる場所の選択においては、本人の努力うんぬんの話ではないです。それは否定されるべきでしょう。
我々(虐待を回避できた人間)にできることは、勇気ある行動でしょう。記事内で紹介した方法でも良いです、虐待を関知したら、然るべき場所に通報する。これだけで立派な行いですよ。
劣悪な環境下に生まれてしまった天命(事実)は覆せませんが、オーディエンスである我々人間とのなんらかの「縁」により救われる命もある。これは覚えておきましょうね。僕も、虐待を見つけたら勇気を出したいと思います。