羆の人生記

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熱中症3要因 症状・予防・応急処置・監督責任

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猛暑による熱中症に注意

毎年、熱い時期に必ず発生するのが熱中症患者です。

今回はこの熱中症について、また、同症状への予防や対策を学びます。

-以下断言調-

熱中症とは

  • 暑熱環境下においての身体適応の障害によっておこる状態の総称
  • 脱水による体温上昇と、体温上昇に伴う臓器血流低下と多臓器不全
  • 25℃あたりから患者が発生、段階的に増える
  • 31℃を超えると急増
  • 室内でも発症する
  • 日本では年々増加傾向にある
  • 65歳以上の人が半数以上で、年齢が高いほど発症率が増している

熱中症 - Wikipedia

 

症状

Ⅰ度

眼前暗黒・気分が悪い・手足のしびれ・四肢・腹筋の痙攣・こむら返り・筋肉痛・血圧低下・皮膚蒼白

Ⅱ度

強い疲労感・頭痛・吐き気・倦怠感 脱力感・大量発汗・頻脈・めまい・下痢

Ⅲ度

深部体温上昇・脳機能障害による意識混濁・意識喪失・肝臓機能障害・腎臓機能障害・血液凝固障害

 

熱中症 - Wikipedia

 

以上は日本神経救急学会による熱中症の重症度分類である。応急処置に関しては後述するが、基本的にⅡ度以上の症状があれば救急車での搬送を含め医療機関で地用を受ける必要がある。

Ⅲ度の熱中症はさらに

 

  1. 暑熱への曝露がある
  2. 深部体温40℃以上または腋窩体温38℃以上
  3. 脳機能・肝臓機能・腎臓機能・血液凝固のいずれかひとつでも異常徴候がある

 

以上の3つの条件を満たすことにより診断される。Ⅲ度熱中症は致死率が30%に達するといわれており、非常に危険な状態である。 

 

熱中症を引き起こす3つの要因

環境

  • 夏の時期や季節外れの気温上昇
  • 湿度の上昇(梅雨の時期など)や強い日差し
  • 風がなく、汗の蒸発による気化熱奪取が弱い
  • 風通しの悪い、エアコンの設置されていない屋内

このような条件が整うのは、主に初夏~夏の気温が上昇する熱い時期である。梅雨の時期などは湿度・気温ともに高くなり、熱中症が頻発する。

身体

  • 高齢者や乳幼児、肥満児など
  • 下痢や風邪などで脱水症状に陥っている
  • まともに食事を摂取していない(低栄養)
  • 糖尿病、精神疾患といった持病を持っている
  • 二日酔いや無理を押した日の翌日など体調不良の方

年齢や持病など、応急的対策を講じることのできない熱中症のリスクが存在する。普段からしっかりと栄養を摂っていることも重要な回避対策となることがわかる。二日酔いの翌日は回復増進のためにスポーツドリンクを飲むわけではなく、熱中症の予防も兼ねているようだ。

行動

  • 激しい運動や肉体労働
  • 屋外での長時間作業
  • 水分を補給しない

「水分を補給しない」については、各自でできる最も有効な対策を行ったことになるので、ここは抜かりなく実施したい。基本は水だが、電解質の補給できるスポーツドリンクなどは量販店やコンビニのほか、自動販売機でも簡単に手に入れることができる。金銭の支払いを避けた結果、最終的に熱中症を治療する医療費のほうが高くついたのでは目も当てられない。

屋外作業については道路の舗装工事を委託する労働者や交通誘導員、外壁の塗装工など屋外で作業せざるを得ない環境をコントロールできない方について特に注意をはらっていただきたい。

 

熱中症を予防するには

涼しい服装で

冬場に厚着をして体温をコントロールするのと同様に、夏場も軽装で熱を逃がすような服装を心がける。ハーフパンツやTシャツなど。汗を吸収し、発散しやすい品質のものを選ぶと良い。

直射日光に肌を長時間露出することで、皮膚疾患を誘引することに繋がりかねないので、露出面積が大きければすなわち有効とは言い切れない。日差しの強い日は汗の吸収率が良く、かつ涼しい長そでなどを着用するのも良いだろう。

日陰を利用する

夏場に好んで日差しの下へ行く者は少ないのであろうが、特に日陰を歩いたり休憩の際は意識して日陰を利用する。直射日光を避けるだけでも、体温コントロールが容易になり、風が吹けばさらに体温を下げることができるだろう。

屋外作業でどうしても日差しの下で作業することを強いられるものは、適宜日陰で休息をとりつつ、水分を補給することが望ましい。無理は良くない。

日傘や防止

髪の短い坊主の人や、抗えない宿命により髪の毛を散らしてしまった人は特に帽子を利用すると良い。夏場に関わらず、頭皮というのは直射日光に非常に弱いため、熱中症予防のほか皮膚の保護という概念も包含する。頭部に外傷を負う事故が起きた際は、それから保護する役割も担う。

日傘はおばあちゃんのイメージがあるが、直射日光を避けるためには大変有効なアイテムである。建物の陰に入って歩けるかどうかは、場所による。常に日差しの下にいなければならない状況下では活躍するだろう。

水分・塩分補給

体内の水分を補給するために水分の補給をこまめに行う。熱中症患者は、多くの場合に水分補給を怠っている場合が多い。忙しかったり、何かに熱中して忘れてしまうことがあろうかと存するが、意識的に摂取していきたい。水分だけでなく電解質バランスも崩れがちになるため、塩分を含有したスポーツドリンクなどがさらに有効だろう。

 

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以上4つの予防対策のほか

  • 無理をせず徐々に暑さに身体を慣らす
  • 室内でも湿度を測定する
  • 体調の悪い時には特に留意する

ということが言える。

 

熱中症の応急処置

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環境省熱中症予防情報サイト ##熱中症の対処方法(応急処置)

 

熱中症を疑う方が現れた場合、まず意識があるかないかでふるいにかける。意識の確認は肩口を叩きながら耳元で3回呼びかけ、それに応答がない場合は「意識がない」と判断すると良い。ここはBLS(1次救命処置)に詳しいので割愛する。その場合は速やかに119番通報をして救急車の要請を依頼する。

意識がない場合はまず、患者を良い環境へ移動させる必要が生じる。熱い部屋や日差しの強い場所にいるのであれば、涼しい、日陰へ移動させる。氷嚢(氷を入れた袋など)を用意できるのであれば、主要血管が通過する首筋やわきの下、鼠蹊部(太ももの付け根)などに当てて冷却する。これにより冷えた血液が体中に巡回し、症状を緩和できる。

救急隊到着時は発症時の状況などを伝達する。あとの処置や医療機関への搬送などはプロにお任せすると良いだろう。

 

意識があった場合でも、環境を改善する必要性は変わらない。涼しい日陰へ移動させる。着衣を緩め、水分を摂取できるようなら摂らせる。もし摂れない場合は医療機関で点滴処置など輸液を受ける必要が生じる。自力歩行が不可能な場合でほかに搬送手段を持ち得ない場合、119番通報して救急車を要請することは正当である。

氷嚢による冷却処置は、患者本人の具合を見つつ、行うと良い。水分の摂取と冷却により症状が改善に向かえば、あとは自力で自宅若しくは目的地まで行くことができるはずだ。その日は無理をせず帰宅して静養するのが望ましい。

 

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ここまでは以下のサイトを参考に所見を交えて述べた。

環境省熱中症予防情報サイト 熱中症の予防方法と対処方法

 

監督責任が問われる時代

部活動中の熱中症で後遺症 東大阪市に賠償命じる判決 | NHKニュース

平成22年に東大阪市の中学校体育館においてバドミントンの部活動中に中学1年生の女子生徒が熱中症による脳梗塞を発症し、病院で治療を受けた。左半身に後遺症を残した女性は市に対して裁判を起こし、裁判所から市に対して賠償命令が下されたというニュース。

発症当時の体育館は室温が約35℃に達し、熱中症を引き起こしやすい環境下にあった。ここで注目したいのは「休憩や水分補給をさせていた」にも関わらず「体育館に温度計を設置していなかったこと」が判決のポイントになっている部分。

酷暑環境下において休憩や水分補給をさせずに生徒に運動を強要していたのであれば言語道断であるが、熱中症予防の対処策である休憩や水分補給をさせていても、そもそもそのような場所で運動をさせたという管理側の責任が問われてしまったということだ。

体育館に温度計が設置されていれば市の責任が問われないかといえばそんなことはなく、むしろその日の室温や湿度を鑑みて部活に参加する生徒の活動を考えるべきだったのだろう。

 

水分を摂ることは惰性であり、甘えである。そのような根拠のない、さらにこのような事態を引き起こす精神論はもはや時代遅れを通り越し、司法から罪を問われてしまう時代である。国や市は、後遺症を引き起こした女性の一生涯における金銭的・精神的フォローをしてくれるわけではない。今回だって賠償命令は下されたが、それで女性の後遺症が治るわけではなく、心に大きな傷を残したに違いない。

個人に対してであろうと、責任のとれない事態を引き起こすことを管理側は行うべきではないし、常識的に考えて予防できた事態は避けるべき。これは管理側に求められる最低限のリスクマネジメントではないかと考える。

 

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最近では窓に備え付けるクーラーも売られている。外壁を貫通させるまでもなく、6畳~8畳の部屋ならば快適に過ごすことが可能だ。このようなアイテムを駆使し、どうか酷暑を乗り切っていただきたい。

 

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