羆の人生記

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映画『君の膵臓をたべたい』ネタバレ感想 涙と感動の結末

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「本当に大切なものは、目に見えない。」の冒頭から始まる、住野よる原作『君の膵臓を食べたい』の映画化作品。初日から早速観てきました。

心に宿る思いを、熱いうちに感想としてテキストに残しておきます。

※一部ネタバレがあります。

オフィシャルサイトはこちら

映画『君の膵臓をたべたい』オフィシャルサイト

メインキャスト

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志賀(大人):小栗旬

教師になって6年、母校に赴任して1年を迎える教師。

机の引き出しには"辞職願”。教師を続けることに葛藤を抱く。

ある日、老朽化した図書館が取り壊されることになり、蔵書の整理を任されることに。

思い出の図書館へ足を踏み入れ、リフレインする過去の記憶。

ここから、ストーリーは始まる。

 

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志賀(高校生):北村巧海

周囲の人間に心の壁を作り、読書に没頭する図書委員。

クラスでは根暗なキャラとして、名前で呼ばれることもない。

ある日、病院の待合所で「共病文庫」なる手記を拾い、中身を見てしまう。

彼の人生の歯車は、その瞬間からかつてない音を奏でて動き出す。

 

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山内桜良:浜辺美波

明朗快活でクラスの人気者の女の子。

親以外の、親友にも打ち明けていない重大な秘密を持つ。

ある日、ふとした拍子でその秘密が志賀に知られてしまう。

だが、その反応は、彼女にとってとても意外なものであった。

 

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恭子(大人):北川景子

山内桜良とは、中学校時代からの親友。

桜良いわく「男を見る目がない」

急接近する桜良と志賀に、嫉妬にも似た懐疑の眼差しを送り続ける。

桜良は、志賀と恭子には仲良くなってほしいと願っている。

 

ストーリー

ある日、病院の待合所で志賀が拾った「共病文庫」には、膵臓を患っており、自分の命があと数年しかないと記してあった。それは、クラスでも人気者の山内桜良(以下「桜良」)の手記であった。

「見たでしょ?」

共病文庫を手にした志賀に問う桜良。志賀は見たという事実を伝えるが、心に動揺は見せない。その反応が、桜良にとってはとても意外なものであった。その日以来、同じ図書委員になってみたり、デートに誘ったりと、志賀と交流を深める桜良。それを心配そうに見つめる恭子。

志賀と桜良が交流を深めていく過程で、志賀の心が徐々に氷解し、桜良は余命いくばくもない自分の未来に憂慮しているという胸の内を語れるようになる。お互いに、認め合い、深まり合っていく関係の中で、突然にその日は訪れる。

「明日、死ぬかもしれないよ?」

桜良の言葉が、それを示唆していたのかもしれない。余命などは関係なく、今日一日の命は、皆平等なのだ。

 

 

・・・とまあ、意訳するとこんな具合です。かなり端折ってますけど。

 

感想

余命いくばくもない男女の恋慕

なーんてよくあるテーマじゃん。とか思ってるあなた。

この映画はですね、それをしっかりと裏切ってくれます。

そういうお涙頂戴的な、上辺の感動だけで作られているわけじゃないんです。

・・・とはいいましても、年頃の男女のプラトニックでちょびっと甘いやり取りなども、劇中で嫌味なく描かれているのは事実です。ここらへんは、興ざめることなく、安心してみてられますよ。ほのぼのとして、笑いもあります。

 

「大切なものは、目に見えない。」

これ、主たるテーマだと思いますね。

好きな男の子、女の子。基準は見た目?いやいや、そうじゃなくって、大切なのは中身。これも語りつくされているかもしれませんけれども、志賀と桜良はそれを地で行く素直さを持っている。劇中で柔らかく表現されている部分です。その二人が惹かれ合っているのだから、なんだか納得という感じです。

 

「命の重さは一緒。明日、何があるかわからない。だから、今を精一杯生きる。」

これ、凄く難しいんですよね。確かにそうなんですよ、道路歩いていていきなり車に轢かれるかもしれないし、血管が破裂して死んでしまうかもしれない。でも、そんなこと想像しながら、日々の生活を送るというのは、至難の業です。しかしながら、この映画を観終わった時に、きっとあなたは今日を精一杯生きようと思うことは、大事なことなんだって心に染み入っていくはずです。そういうふうに、作品がつくられています。

 

「君になりたい。」

映画のタイトルの確信に迫る部分ですね。

桜良は明朗快活で人気者。

志賀は内気で本の虫。

桜良は、外向的だけど、内側にある余命への恐怖と戦っていて、とても心細かったと思います。そんな中で、いつも読書をして、自分と向き合い続けている志賀のことが、気になっていたんですね。彼に、強さを見出していたんです。交流を深めていくうちに、桜良は、志賀の人を見た目で判断しない心性に確実に惹かれていきます。「君となら、日常を紡いでいくことができる」そう確信したんですね。そして、憧れていた。

志賀は桜良に引っ張りまわされる形で、色々なところに連れていかれたり、お泊りデートまでさせられちゃう。こんなことは、従来他人を理解するつもりも興味もなかった志賀には、トンデモなことだったんですね。でも、桜良は強かった。余命が迫る中で、生き生きと、自分のやりたいことをして素直に感情表現し、「他者との関りが、生きるってことなんだよ」という言葉まで耳にします。志賀も、桜良に憧れを抱くようになるんですよ。そして、君になりたい、と。ここまで言わしめるようになれたのですね。

 

もうね、徐々に志賀の鉄の扉が開いていくのが、手に取るようにわかるんですよ。最初は意固地でクールで取り付く島もない感じだったのに、徐々に笑顔が増えて。そのうち「楽しかった」とか「君のことが心配だ」とまで言うようになるんですよ。これがもう、涙なしには見てられなくてね。人の心が開いていくのって、こんな具合なんだろうなーってジーンとくるものがあります。

わかりやすいエピソードとして、クラスでお調子者の通称「ガム君」が、志賀に「ガム食べる?」と聞く画面がトータルで3回あるんですよ。1回目は「いらない」2回目は「いらない・・・でもありがとう」3回目は「ありがとう。美味しい」って、めっちゃ心開いてるじゃないですかー!!思わずニヤリとしてしまいましたよ。

 

でも、心を開ききったと思った矢先に、桜良は・・・。

ここからのくだりは、映画館で確認してください。

 

最後に

志賀と桜良の心は、交わることができるのか。

恭子との関係はどうなる?

原作との違いって、どうなんでしょ?

「君の膵臓をたべたい」って、どういうこと!?

 

などなど、色々な疑問が映画を観ることで一発で解消することでしょう。

そして、映画館を出た時は、ちょっとまぶたが腫れぼったくなっているかもしれません(笑)ハンケチーフの用意は、忘れずにしてください。

 

ちなみに、僕は原作も読んでおりまして。

この映画は原作を歪めることのない、ストーリーを予め把握している人が観ても十分に楽しめる内容であったことを付け加えておきますね。

キャストが良いですねー。小栗旬がバッチリはまっているのと、浜辺美波さんが天使過ぎるってのが強烈な印象を残す要因でしょう。

 

原作、映画。ともに、是非とも住野よるワールドにどっぷりと漬かって頂きたいと存じます。