今日も無事に28日目。
自分もたばこには触れなくなったけれど、外に出ても「たばこと触れる」という機会がほとんどなくなったように思える。
「たばこに触れる」というのは、例えば喫煙者を見るだとか、副流煙を吸うだとかそういう機会だ。これがめっきり、ない。
分煙が進み、改正健康増進法が施行された効果は確実に上がっているし、喫煙者はどんどん不可視化されている。
いつぞやディズニーランドに行った際に、喫煙所ははてどこにあるのかと何気なく疑問に感じて聞いてみると「あっち」と指さされたのは裏の壁に囲われたエリアで、まったく目につかないところであった。いわれてみれば微かにたばこのにおいが漂ってくる...ように思えた。
あれではまるで、ニーアオートマタでアミューズメントパークの裏側にいった気分になるのではないか?と、わかる人にしかわからない感想を抱く。あるいは隠し宝箱でもあるのではなかろうか、と。でも実際は隠し宝箱どころか、副流煙と吸い殻の不潔な残骸だけ。見るも無残な現実が広がっているのである。
ここまで見えないところに押しやられてでも、やっぱり止められない人が10人に2人弱はいるわけだから、依存症というのは恐ろしいし、それ以上に怖いのは認知の歪みだとう。「自分は好きで吸っている。こんなものはいつでも止められる嗜好品なのだ」という誤った認識である。これも、たばこ会社の戦略が功を奏した結果。
けど、10人に2人を切る喫煙率というのは、禁煙啓発の勝利といっても過言ではないのではなかろうか。20年前を考えれば、信じられない光景がこの社会では広がっているのだ。喫煙者が、見えないところに行かざるを得ない社会が。