ふとカレンダーを眺めていた時のこと。「友引」「仏滅」などの文字が目に入ります。
友引は葬式をやらないだとか、仏滅は縁起が悪いだとか、今まではぼんやりとそれらの言葉を捉えていました。
今回は改めてそれらを学ぼうと思い立ち、この記事を書いております。
- 六曜のルーツ
- 現代でも影響力がある
- 暦に記載される順番と読み方
- 所感
- 六曜【先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口】の意味(各詳細)
- 旧暦から六曜を求めることができる
- 結語
- 日本人が呪術を信仰する理由が知りたい方へ
六曜のルーツ
これらは六曜(ろくよう)と呼ばております。中国で生まれたとのことですが、どの時代から確立したなどの詳細は不明です。
中には諸葛亮(諸葛孔明)が発案し、六曜を用いて軍略を立てていたとの俗説もあるようです。
日本に伝来したのは14世紀の鎌倉時代末期から室町時代にかけてとされています。それ以来、現在は「赤口(しゃっこう)」以外は全て名称が変わっているそうです。
19世紀初頭の文化年間に現在の形になったそうで、幕末頃に民間の暦に盛んに記されるようになりました。
明治時代はこれを迷信であるとし、政府が一切を禁止しました。第二次世界大戦後に政府の強制力が消え、暦に六曜が復活して現在に至っております。
現代でも影響力がある
冠婚葬祭の日取りについて、六曜を意識して決める風潮があります。
若い世代は、自分たちは気にしないけど親や親類などが世間体を気にして、結果的に六曜に基づき日取りを決めることも多いそうです。
中には対外的な行事全てにおいて六曜を信じて行動する方もいらっしゃるそうです。
これは極端ですね(・・;)私の周りにはいませんが...。
なお、六曜は仏教とは関係ないそうです。仏滅があるのに、紛らわしいですね。
暦に記載される順番と読み方
- 先勝(せんかち):午前中に物事を行うと○、急用や訴訟を行うのに○
- 友引(ともびき):大安に次いで慶事には○、朝晩は○だが正午は×
- 先負(せんまげ):訴訟などの争いごと×、午前×午後○、控えめに
- 仏滅(ぶつめつ):仏も滅する最悪の日、全部×
- 大安(たいあん):全部成功する日。物事の始まりにも○、結婚式も○
- 赤口(しゃっこう):11:00~13:00が○、火の元や刃物に注意
以上6つの順番でローテーションします。
所感
- 先勝(せんかち)を(せんしょう)、先負(せんまげ)を(さきまけ)、赤口(しゃっこう)を(せきぐち)と呼んでいたのは私だけでしょうか
- 仏滅は全部ダメとか極端ですね
- 大安にみんな結婚式揚げてたら結婚式場もお手上げになりそう
- 赤口の時間縛りは、どうしてこんなに狭いのか
六曜【先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口】の意味(各詳細)
先勝
- 急用・訴訟〇 早く事を行う〇 午前〇 午後×
- 先勝日
- 読み 「せんしょう」「せんがち」「せんかち」「さきがち」「さきかち」
- 先んずれば即ち勝つの意
- かつて「速喜」「即吉」と書かれた
- 万事に急ぐことが良い
友引
- 凶禍が友人に及ぶとする方角(陰陽道)
- 何をしても勝負がつかない日
- 朝晩〇 昼× 葬式×
- 「凶事に友を引く」の意、かつては勝負事で引き分けになる日
- 友引の日は火葬場休業が基本(近年、営業するところが増えている)
- 慶事についてはお裾分けの意より、結婚式引き出物などをこの日に出す人もいる
先負
- 急用・争い事・公事× 静かに待つ〇 午前× 午後〇
- 先負日
- 読み「せんぶ」「せんぷ」「せんまけ」「さきまけ」「さきおい」
- 「先んずれば即ち負ける」の意
- かつて「小吉」「周吉」と書かれ吉日とされていた
仏滅
- 勝負なしの日
- 万事に凶(特に結婚式)
- 「仏も滅するような大凶日」の意
- 元は「空亡」「虚亡」
- 六曜の中で最も凶の日
- 仏滅には料金の割引を行う結婚式場あり
- 「ぶつめつ」としか読まれない
- 仏陀(釈迦)が入滅した(亡くなった)日ではない
- 「大安」よりも物事を始めるには良い日との解釈あり
大安
- 旅立ち・移転・開店・結婚、万事〇
- 大安日・大吉日・大安吉日
- 「大いに安し」の意
- 六曜の中で最も吉の日(特に婚礼)
- 本来はこの日に何も行うべきではないとする説あり
- キリスト教やユダヤ教における安息日にほぼ相当する?
- 「たいあん」が一般的な読み、「だいあん」とも読む
赤口
- 凶日
- 正午〇
- 赤口日・しゃっく
- 陰陽道の「赤舌日」という凶日に由来
- 六曜の中では唯一名称が変わっていない
- 午の刻(午前11時ごろから午後1時ごろまで)のみ吉
- 「死」を連想されるものに注意する日
- 読み「しゃっこう」「しゃっく」「じゃっく」「じゃっこう」「せきぐち」「あかくち」
- 万事に用いない悪日、ただし法事、正午だけは良い
【参考サイト】
旧暦から六曜を求めることができる
「旧暦」で求めることができる点で注意が必要です。新暦でこの計算を当てはめても、六曜を求めることができません。
例えばこの項目を追加している7月12日をそのまま計算してしまうと(7+12)/6=3あまり1で赤口かと思いきや、実際は友引なのです。
新暦旧暦の対照表は2010年まで海上保安庁で公開していたようですが、それ以降の公開はないそうです。
現代において必要のないものは、たとえそれが歴史的なものでも淘汰されていくということでしょうか。少々、寂しい気もしますね。
結語
とりあえず、常識として知っておいた方が良さそうです。暦にあれだけはっきり記載されているのですし、まだまだ親や祖父母世代は信じる人も多そうですからね。
(セントモセンブツタイシャ)で、私は覚えちゃいました。それぞれの意味は...覚えるのはこれらの課題ってことで(笑)
なお、六曜と七曜とは無関係です。
七曜(しちよう)とは、肉眼で見える惑星を五行と対応させた火星・水星・木星・金星・土星と、太陽・月(陰陽)を合わせた7つの天体のことである。七曜星とも言う。
日本人が呪術を信仰する理由が知りたい方へ
こちらの本がおすすめです。
タイトルではわかりませんが、どうして日本が未だに六曜を重視するのか、呪術や迷信の類を信仰するのかが解りやすく記載されています。キーワードは「世間」です。
「どうして法律よりも迷信が優先されるんだよ!」なんてお悩みの方には最高の読み物ですね。