ポジ熊の人生記

雑記ブログの育て方をメインコンテンツに、時事オピニオンや書評などを日々更新中です。

映画『来る』感想 霊能力者大バトルにわくわくしまっせ!

スポンサーリンク 

f:id:pojihiguma:20200917002423j:plain

画像引用先:Amazon.co.jp: 来るを観る | Prime Video


「柴田理恵がかっこいい」という口コミを見た。

 

それだけの理由で映画『来る』を見たので感想を書きます。

 

結果的には柴田理恵がかっこよかったんですが。

どんな映画? 

まずは作品紹介。

『来る』(くる) のタイトルで、小説を原作とした実写映画が2018年12月7日に公開。監督は中島哲也。主演は岡田准一[9]。

 

原作は『ぼぎわんが、来る』という澤村伊智による日本のホラー小説なんだけど、管理人は原作を見ないで映画を見たので以下映画のあらすじを。

社内では子煩悩で愛妻家で通っている田原秀樹の身に、ある日から怪異現象が勃発する。その怪異現象によってその家族や会社の同僚たちにまで危害が及ぶようになり、オカルトライターの野崎和浩に現象の解明と除霊を依頼する。野崎は、霊媒師の血を引くキャバ嬢・比嘉真琴らと共に調査に乗り出すが、そこで正体不明の訪問者と対峙することになる。

 

キャストは以下。

野崎和浩 - 岡田准一
田原秀樹 - 妻夫木聡、安田逸星(幼少期)
田原香奈 - 黒木華、岸本栞奈(幼少期)
田原知紗 - 志田愛珠
比嘉真琴 - 小松菜奈
比嘉琴子 - 松たか子
津田大吾 - 青木崇高
逢坂セツ子 - 柴田理恵
高梨重明 - 太賀
美咲 - 手塚真生
香奈の母 - 蜷川みほ
店長 - 伊集院光
田原志津 - ヨネヤマママコ
田原澄江 - 石田えり
大鳥神社の神官 - 上村厚文、亀井賢二、東康平、牛丸裕司
沖縄ユタ - 吉田妙子、田仲洋子、あさと愛子、眞榮平清子、
巫女 - 上原実矩、山田佳奈実、中島さくら、田中日陽里
秀樹の親戚 - 芹澤興人
秀樹の友人 - 小澤慎一朗(ピスタチオ)、長井短
ホステス - 横町ももこ
芸人 - レギュラー
浦田賢一
少女 - 中川江奈
綾 - 高橋ユウ

ここまでの引用はWikipediaより。

田原秀樹(妻夫木聡)のクズっぷり

冒頭、田原一族の紹介から会食に至るまではまぁ、まだ普通の夫かな?って見てたけど、一族に気を遣えだの横に座ってろだのと妻の香奈に対してずいぶんと共感性のない対応をするもんだな、と少し呆れ気味になり。

 

それが結婚式の回想シーンともなると管理人自前の共感性羞恥が働いてもう見てらんないくらいに空気が読めない痛い夫を、これでもかといわんばかりに演じてくれる妻夫木君。ここだけでも一見の価値ありと思います(笑)

 

田原秀樹のクズっぷりは結婚式の回想シーンなど生易しいくらいに加速し、自宅に同僚を招いてのパーティ、さらに子供が生まれてからのイクメンブログ漬けでクズを極めます。後半になりますが娘の知沙が怪我をして救急治療を受けた際には香奈に「ひとり生んだくらいで偉そうに」と言い放つシーンはもう、なんていうか。脱力です。

 

まぁこんな感じで妻夫木君演じる田原秀樹のクズっぷりは見ているものの怒りや虚無感を猛烈に煽る好演なわけですけれども、そんな秀樹もクズなりに家族への愛情はあったわけでして。死してなおそのいびつな愛情を現世に未練という形で残してしまうシーンもあり、救いようのないものとして描き切っているわけではありません。それに、主人公である野崎も、秀樹のことは秀樹なりの愛情を家族に注いでいた、と見ていたようです。

 

 

秀樹は・・・うーん、まぁこの性格は生まれつきなんじゃないかなぁ。だから、彼が悪いとかそういう話ではなく、そう在るものとして認めなきゃいけないのかなと。ただ、関わった人、主に妻や娘なんかは、その影響をもろに受けてしまうのかなって思います。今回の物語も、秀樹の偽りの人生観や気質が招いた災禍が発端となっている、と言っても過言ではないわけです。

 

もし、自分の身の回りにこういう人がいたら、できるかぎり距離を置くか、関係を持たざるをえないとしても一定の距離は必要なんじゃないかな。

 

田原香奈(黒木華)の災難

香奈はねぇ。始めは秀樹の一族や秀樹に翻弄され、育児ノイローゼで追い詰められていく悲劇の妻として描かれているんだけれども、物語は中盤にさしかかると「あれれ?」となっていく。具体的には不倫に走ってしまうんですね。

 

旦那がアレなんで、妻がこうなるのもさもありなん、「香奈を責めるのは酷だ!」とおっしゃる方も多かろうと存じます。ええ確かにほかの男に救いを求めたくなる気持ちはそれとなくわかりますよ?

 

ただ、香奈さんもさぁ、本来そういう素養があったんじゃないかという疑念はぬぐえないんですよねぇ。そう感じた理由は、秀樹が死んだあと野崎が香奈のもとを訪れた際、さりげなく腕を触るなどボディタッチをしているんですよ。あ、いや、未亡人なんで誰をタッチしようが咎はないんですけれど、こうも自然にさわさわできてしまうあたりは、もともと持っていたものを開花させてしまった成れの果てなんじゃないかと見てしまうのですね。

 

香奈の愛は最終的に、娘を化け物から必死で守る形で描かれていますが、その必死さも空しく香奈は惨たらしい最期を迎えます。香奈の母はいわゆる毒親というやつで、そのしがらみからは生涯逃れることができなかった。殺される間際に見たものは、トイレのドアを開けて入ってこようとする血塗られた母の姿だったのです。

 

毒親に育てられ、似非イクメンのクズ旦那をつかみ、激しい不倫に身を投じた挙句、化け物に呪い殺される。始め清楚で大人しい妻から一転、薔薇のように着飾った不倫狂いの女性を黒木華が演じる。これが凄くないですか?見てみたいですよね?ぜひ見てください。

 

今まで誠実に生きてきたところ、不倫でダム決壊して本性が露になってしまうとか、まぁ、あるよね。現実にも。

 

霊能力者軍団の味

比嘉真琴(小松奈菜)演じるぶっ飛んだキャバ嬢霊能力者の登場でオラ俄然わくわくしてしまったんですけれども、それをはるかに凌駕する比嘉琴子(松たか子)の中二病っぷりを見て「ああ、この映画見て良かった」と心の底から思いましたよ。

 

とにかく琴子の強キャラっぷりが際立っている。国家権力の象徴、警察ですら上層部を顎で使い、マンション1棟を立ち入り禁止区画にしてしまうコネクション。全国海千山千の霊能力者を集めてしまうカリスマ性。かと思いきやラーメンを派手にすすったり、おもむろに缶ビールを飲み干したり、除霊にファブリーズみたいのを撒いてみたり。琴子の一挙手一投足に心を踊らされている自分が凄く悔しい(笑)それだけ不思議な魅力を琴子は持っています。もちろん、霊能力者としての実力は折り紙付き。

 

 

除霊会場に向かう関西弁でド派手なおばちゃん霊能力者3人衆もすごくいい味を出していたのですが、残念ながら道中のタクシーで化け物の呪いを受け事故死してしまいました・・・。彼女たちの活躍も見てみたかった。どんなエピソードや能力があったのだろうか。それにしても、こんなあっさりと霊能力者3人を殺してしまっていいものなのだろうか!?

 

まぁ、彼女たちはその後のシーンで男性霊能力者が電車に乗っているシーンにて「これは別れた方がいい」とそれぞれ降りる駅を別にするなど化け物への警戒心を強める、というわくわく1シーンの演出に寄与しているわけですから、その死も全くの無駄ではなかったと思います。いや、思いたいですね。

 

 

で、逢坂セツ子(柴田理恵)さんのことですけれども。やっと語るときが来ましたねー(笑)あ、ぶっちゃけ、最初の登場シーンでは拍子抜けだったんですよ。ラーメン屋で化け物の襲撃を受けていとも簡単に片腕が吹っ飛んでKOされちゃったわけですから。「あれ、口コミの話はどうなんたの!?めっちゃ弱いじゃないですかーやだー!!」

 

が、彼女の真骨頂はここにあらず。片腕を吹っ飛ばされてもさらに凄みを増した彼女は、往生できない秀樹を優しく?除霊したり、琴子の最終決戦にむけ隻腕で大迫力のお経を唱えるなど、「おお、これぞまさにかっこいいってやつだ!」と心を震わせたわけです。結局、死んじゃうんだけれど。悲しい。

 

逢坂セツ子のスピンオフ作品があれば、凄く面白いものに仕上がるのではないかと思うのですが・・・どうなんでしょう?

 

 

さてさて、最終決戦は田原一家が住んでいたアパート。全国津々浦々から、霊能力者から音響機材の技術者まで、いろいろな能力を持った人たちが一堂に会し、除霊の舞台を築き上げていきます。その様子はまるでお祭りの舞台をくみ上げているかのよう。みんな笑顔で生き生きとしています。これから始まる惨劇を考えれば、とても笑うことはできないはずなのですが・・・みな、腹をくくっているということでしょうか。

 

琴子は霊験あらたかな鏡を用意して決戦の準備を進めます。その中にひとり、わけもわからず身を投じる野崎。その野崎の顔面に唐突なフックを浴びせて気絶させる琴子。これはもう、見ているほうもわけがわかりません。

 

そして・・・きました。巫女の一人が「来るよ」と一言。除霊は壮絶を極めます。舞台の土台は瞬く間にひび割れ、襲来した化け物の力がどれほど強大かを物語ります。一心不乱に読経するも、血を吐いて倒れる霊能力者たち。最後まで残った逢坂セツ子も、化け物の前にこと切れてしまう。

 

最後まで残った琴子、野崎、真琴、そして狙われた知沙。旧田原家で決戦の結末を迎えることになるのですが、それは是非ともみなさんの目で見てほしいと思います。

 

見る人によっては結末の解釈が違うかもしれません。結局、琴子は勝利したの??

僕は勝利だと確信しています。

 

総評

『くねくね』など田舎の伝承で語られる、得体のしれないモノに追い詰められる人たち系のB級和製ホラー・・・と単純に見れない部分はなんといっても霊能力者と化け物の大バトルですね。これがあるから、面白い。

 

個人的には霊能力者それぞれが個性を発揮して化け物と戦ってほしかったところですが、あまりやりすぎるとネタに走りすぎて肝腎のストーリーがぶれてしまいかねないので、ここらへんがいい塩梅なのかもしれませんが。

 

化け物一人に対して被害が大きすぎるだろ!?という突っ込みもありそうです。そもそも、あんな大舞台を築かなくとも、琴子の霊能力だけで化け物とサシで勝負できたのでは、なんて突っ込みは無粋ですかね。

 

まぁ、ともかく、物語の醍醐味として霊能力者軍団のバトルは切っても切れない部分になっています。

 

 

ホラーですけれども、一見幸せそうな家庭に潜む裏事情とか、しきたりやしがらみが面倒な親族や毒親のリアルなど、現代の闇に切り込む描写も、ストーリーにぐいぐい入っていくための潤滑剤になっているように思えます。闇を抱えた人間をここまで演じ切ることのできる役者さん達も見事です。

 

結局、あの化け物はいったい何なのか。そういった細かな背景が語られることは映画ではありません。ここらへんは原作で知ることができるらしいので、管理人も機会があれば読んでみたいと思います。

 

 

口コミを見て何気なく観た映画だったんですが、ここまで胸に深く刻まれる結果になるとは、いい意味で裏切られましたね。食わず嫌いで避けてしまっている人はもったいないですから、是非とも見てほしい映画のひとつです。

 

 

 

『来る』はAmazonプライムでも観ることができます。登録はこちらから。 

 

 

原作はこちら。