羆の人生記

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お金がない時の苦しさ、焦燥感、孤独感

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かつてお金がなくなって、身の回りの物を手当たり次第に売り払った時の苦しさ、焦燥感、孤独感を思い出した。

 

なんでも売った。タブレット、衣類、書籍、ゲーム。とにかく、あらゆるものを金に換えた。とにかく焦る。このままでは、払うべきものも払えなくなる。やばい。挙句の果てには職場の同僚から、使わなくなった古いゲーム機本体をいただき、それも売りに出したことがある。同僚はそれを聞いてケラケラと笑ってくれたから救われた。

 

今年も車検がくるので出費が多く、このままでは困窮することが予想されるので、個人年金の積み立てからお金を借りることに決めた。そうしたら、心の中の不安がスっと消えていくのがわかる。

 

食うに困ったことはない。いざとなれば、親に頼み込んで飯を食わせてもらえばいいのだから。しかし、世の中には、日々食うことにすら困窮する人は万単位で存在しているらしい。お金がないことでこれだけの苦しさを味わうのに、食うに困るというのは果たしてどれほどの苦しさなのか。想像ができない。

 

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親の縁がなく、知人も頼れず、困り果てて最後のセーフティネットである生活保護などを頼る人の精神状態は極限まで達しているだろう。それを、水際作戦などと呼ばれる卑劣な行為で切って捨てる所業がまかり通っている。これを許すことはできない。

 

生活保護申請者に不適切対応、横浜市の非情すぎる発言 “録音テープ”の中身を公開

 

横浜市に限ったことではなく、全国的にこういった所業が展開されているのは間違いない。でも、明るみに出ることで長年続いた組織の膿が出ることは喜ばしいことであるし、これを機に、食うに困る極限まで追い詰められた困窮者の最後のセーフティネットが、最後のセーフティネットたり得る体制が全国的に整備されることを願ってやまない。

 

生活保護を叩く人たちの主張としては、不正受給は許せないという意見が目立つ。しかし・・・

 

不正受給の件数や金額が年々増え、不正受給が横行しているかのような
報道がされています。しかし、不正受給の件数などが増えているというよ
りも、生活保護利用者が増えていることに伴う数字の変化というべきでし
ょう。不正受給の割合でみると、件数ベースで2%程度、金額ベースで
0.4%程度で推移しており、大きな変化はありません。また「不正受給」
とされている事例の中には、高校生の子どものアルバイト料を申告する必
要がないと思っていたなど、不正受給とすることに疑問のあるケースも含
まれています。

生活保護Q&Aパンフ【PDF】|日本弁護士会

※強調部分は管理人による

 

不正受給のこうした現状を知ってか知らずか、叩いている。しかも、本来保護を受けるべき数百万人の人が保護から漏れていることが最大の問題、と日本弁護士会は述べている。(H24.3 厚生労働省社会・援護局関係主管課長会議資料より)

 

お金に困るどころか、明日も見えない困窮者がうごめくかたわら、一部政治家や官僚は高級会食を繰り返し、ケタはずれな金額の接待を受けている。そして中間層は見事に分断され、自分より収入の低い人、あるいは極貧な人を「努力不足」の名目で叩きまくる。

 

大人になってから、色々なことを知った結果、今の日本は間違いなくディストピアだなと感じるようになった。いつまでこんな地獄が続くんだろう。自分の持っている一票で、救われる命が1つでもあればいいんだけれど・・・

 

まともに仕事があって、縁にも恵まれたこの立場ですら、お金が無くなると焦りを感じるのに、食うに困って役所を頼った結果、門前払いされた人の気持ちって果たしてどんなものなのだろうか、と想像して。こらえきれずにこうしてブログに書いたよ。