社会人も、やっておいたほうが良いとおじさんは思うのです。プロプロガーは、それからでもなれますから… / “自由を手に入れる為にプロブロガーを目指す事にしました | AirDays” https://t.co/ept39gL8Ds
— 羆 (@poji_higuma) 2016年7月6日
社会なめんなよ!
というわけでブロガー大好きなおじさんが老婆心エントリ。なお、全文を引用してそれぞれの箇所に思うことを書かせていただく。
冒頭
今日からブログを始める事にしました、ハチと申します。 Twitterも同時に始めましたので、よければフォロー頂けると嬉しいです。(@hachipo_6)
はい、よろしくおねがいします。初期からTwitterと紐づけして運営を開始するのは、サイトを成長させる上では上策だと思います。僕もフォロワーになりました。
僕は小学生の頃からネットを見るのが好きで、趣味でブログを書いていた時期がありました。 しばらくの間は何かを発信するという事はせずに、人のブログやメディアを閲覧するだけの時期が続いていました
ふむふむ、多感な時期からブログという媒体に触れていたということですね。それはさぞかし、ブログというものがとっつきやすい情報発信のプラットフォームであったに違いありません。良いことですね、メディアはTVや新聞のみに非ず。
あれ、不穏な空気が...
が、ここ最近でブログの収益だけで生計を立てるプロブロガーという人達の存在に興味を持つようになりました。
出ましたね、プロブロガー。僕も一時期、夢見ていたのですが、はっきり言いますと
ブログで飯を食える人は一握りです。
悲しいけどこれ、現実なのよね。頑張ればだれでも飯を食えるなんて、誤った情報です。一定のラインには到達できても、稀有な才能に恵まれた個人の能力によらなければ、抜きんでたものを発揮することなど不可能。努力で飯を食えるなら、ブログサロンなど存在しないのですよ。
ハチさんは恐らく、「ブログ開始半年で月20万円を稼ぎました!」という夢のようなエントリを目にして、自分も努力すればこのような境地に達することができるのではないかと夢見ているのかもしれませんが、運営9か月目のおっさんブロガーに言わせれば、こんなものは単なるチャンピオンデータに過ぎないのです。だって、あなたとのそのブロガーは生まれも育ちも地頭も個性も何もかもが違うのですよ、どうやって同じ軌跡を辿ろうというのですか??
「やりたいことがない」なんて普通のモラトリアム
僕は今大学2年生で、後1年もしたら就職活動が始まります。 しかし、現時点でやりたい事は特にないし、正直な話、働かなくて良いのであれば働きたくはないと言う気持ちがあります。
僕の場合は22歳までやりたいことがなかったので、ネトゲやったりバイトやりながらふらふらしてましたよ。ってか、このご時世、20超えてもやりたいことが無いモラトリアムの延長なんて普通の事ですから。大学生の時にやりたいことが無い、という理由で社会に出る機会を逃してしまうのは、明らかに選択の誤りであるようにしか思えません。
働かなくてよいのなら、という気持ちは十分に理解できます。世の中のブラック企業に従事している人たちの怨嗟を聞くと、サラリーマンの明るい未来なんか想像できなくなるでしょう。当然です。
でもね、それでも得るものはあるのよ。上司に、先輩に、同僚に、後輩に気を遣って。やりたくもないトイレ掃除やお茶くみをやってさ。「なんで俺がこんなことしなきゃいけないんだ、こんなことをするために就職したわけじゃない!」なんて苦悩してさ。それでも社会に所属するということは何なのかを自問する。それで、次第に共同体意識にまで発展させてゆく。「俺は替えの利く歯車だけど、ここで回らなきゃ周りも回らないんだ。いま、歯車なりにできることを精一杯やろう」って、こんな風に思える時が来るかもしれないんだよ。
ブログは素晴らしいもの
僕自身文章を書いたり、こうやって世に発信する事は嫌いではなく、もしもそれだけで生計を立てられるのであれば、これ程自由な生活は無いなと考えるようになりました。
文章を書いて世間に発信する、それは素晴らしいこと。時には人生に光明を照らすこともあるってことを、僕は知っているよ。
ブログは自分のサードプレイスになりえる。会社でも言えない、学校でも言えない、家庭でも言えない。そんなことを、自由意志として発出して、それを多くの人が聞いてくれる。見てくれる。「ああ、自分は孤独じゃない、誰かが自分の意思を確認してくれているんだ、また明日から頑張れるんだ」こんな活力を生むツールにもなる。だから僕は多くの人にブログを勧めたい。
しかし、これ「だけ」で生計を立てられることが自由であるという考え。それって、どうなんだろうかと思うんだよね。そもそもさ、君は不自由を知っているのかい?大学生だったね。人の荒波にもまれて、コミュ障な自分を発見したり立ち行かなくなって、それで突き詰めた結果の不自由というものを、目の当たりにしたことがあるのかい?
今後、自分の人生を決める上で、不確かなものに体重を預けながら行うことがいかにアンバランスか、ということを君は知らなすぎるよ。何が自由で、何が不自由なのか。君にとって、自由とは「自分の好きなことをして生きてゆく」ことと同義なのか?辛辣だが言わせていただくと、それは子供の理論にほかならない。責任能力のないものが発する言葉だ。
そして、半年近く色々な人のブログを読み漁り、今日ブログを立ち上げる事にしたのです。 ブログ一本で月100万円を越える収益を出している人もいる プロブロガーの定義は分かりませんが、ブログ一本で月100万円を越える収益を出している人も少なくありません。 本当に有名なブロガー2〜3人という訳ではなく、正直真剣にブログを始める為に情報収集を始めてから知ったような人でも、そういった方は何人か見つける事が出来ました。 それも、ブログを始めて1年近くでの事です。
先述したが、チャンピオンデータに惑わされてはいけない。彼ら(彼女ら)の申告する収益が真実であれば、それは間違いなくスぺシャルなことなんだよ。他人に真似できるような次元じゃない。己を知ることがまずは肝心なことなんだってば。いや、もしかしたらハチさんはそのマイノリティの1人である可能性も、なきにしもあらず。なんだけど、「そうである」という確証はない。そもそも、ブログを最近始めたのに、その自信はいったい、どこからくるのか??
あと、稼げるブロガーは声がでかいということを覚えておくといい。
新聞紙面を時折賑わす、老人の乗用車コンビニ突撃事件が、なぜ多いように見えるかわかるかい?それは老人がコンビニに車で突っ込んだ事件を、メディアが大々的に取り扱っているからだ。他所では至る所でガードレールや前方の車に突撃している。こっちのほうが、ずっと件数が多い。にもかかわらず、コンビニ案件が報道される。その理由は「面白いから」だ。ブロガーが「今月の収益は200円でした」と報告、かたや「今月の収益は200万円でした」さて、どちらが注目度が高いかね。どちらが、耳目を集める記事になるのか。自明だろう。君は特定の限られたケースを、至る所で起きていると錯覚しているに過ぎんのだよ。さも、老人は必ずコンビニに車で突撃するんだ、と言わんばかりに。
根拠のない万能感
僕は結構自分の能力に自信があって、「ブログで成功している人がこれだけいるんだったら、俺がやっても出来ないはずがないな」と思ったのです。 ブログは誰だって始められるし、初期費用もほとんどかからないので、リスクはほとんどありません。 その上で莫大なリターンを得られる可能性があるのに、やらない理由はほとんど見つかりませんでした。 大学生の内に、それなりの結果を出し、就職活動を放棄してやろうと思います。
ちょっとまってくれ。根拠のない万能感は、幼いころに「お前なら何でもできる」と念仏のように吹き込まれた危険な思想ではないのか?身の丈に合わない将来設計をして、破滅していく人間の典型にも見えなくもない。自分にはいったい、どんな特殊能力があるのだ。SEOを学ばずとも、記事を書けば自然と検索順位が1位になってしまう能力?それとも、書いた記事書いた記事がまいど1000はてブ超えの大爆発を起こす能力?そんなもん、持ってないだろ。何が今のあなたの自信を構成しているのか。その根源は何なのか。それを今一度精査することをおすすめしたい。もしかすると、幼児期の万能感の残滓が、拗れた形で今になって、「仕事を避ける」ということの原動力になっている可能性もある。危ないぞ!
1か月で50万円稼ぐノウハウは、怪しい情報教材だけ
一年間で月50万円稼ぐブログに育てます! 始めるにあたって、何か目標を立てないとやる気が出ないでしょう。 そこで、一年間で「月50万円稼ぐブログ」を育てあげたいと思います。 正直、ブログで成功するビジョンも、収益化に関しても全く分からない事ばかりです。 しかし、今やネットで欲しい情報はほとんど手に入る時代です。 多くの方がブログで、「PV数を伸ばした手法」や「月30万稼ぐまでにやった事」などを隠す事無く公開しています。 ブログで大事なのは文章力だとは思いますが、それなりに読みやすい文章を書く自信もあります。 後は続ける事が出来るかどうかだと思っているので、こうやって宣言して、自分を鼓舞して頑張っていきたいです。 ぜひ、Twitter等で、ブロガーの皆さんは仲良くして頂ければと思います!
すまん、僕は月50万円を稼ぐための確たる情報を示すサイトを、未だかつて見たことが無い。もし、それを見ているのであれば、おそらく今頃は月に数十万円を稼いでウハウハ状態になっているだろう。しかし、そんなことは決してない。というところからも察して頂きたい。
もし「月50万円をブログで稼ぐノウハウ」という題材の何かがあれば、それは十中八九、詐欺であると判断する。ブログ歴9か月の僕が見ても、まごうことなき詐欺とみなす。それほどまでに、そんな都合のいいノウハウなんて、どこにもありゃしない。
SEOの知識であるとかブログ運営の妙に関しては、確かにインターネット上の至る所に情報が存在することは確かであり、それをいかにして自分でつかみ取っていくかが、のし上がるためのポイントでもあるだろう。しかしながら、「1年間で50万円稼ぎます」というのは、どうも身の丈を知らなすぎる児戯の台詞にしか聞こえんのだ。今、僕がこの知識の段階で、1年間のうちに月50万円を稼げるかといえば、正直無理だ。
続けることのアドヴァンテージは間違いない、それは僕が約束する。ある一定の熱意を持ってブログ運営に注力すれば、振り返った時に必ず積もったものを見て驚くことになる。
総括
サラリーマンやっとけ。やらんうちから「ブログで意思を発信したほうが自由だ」って、どこか絵空事にしか聞こえない。自由の基準が無さすぎる。社会で人とのコミュニケーションに絶望した経験があるのか?とんでもないブラック企業に就職して。通勤と寝る時間以外は全て従事して、社会がいやになったことがあるのか?これは極端な例だが、それなりの企業でも人間関係や不文律で苦しむことがあるだろう、人に気を遣うこともあるだろう。そんなこんなな経験を経て「僕にはサラリーマンは向かないから、ブログで生計を立てます」ってんなら、全力で応援したるわ。だけどな、何にも知らないうちから、働かんで良いならブログで意思発信して暮らしたいとか、惰性の塊みたいなことを言われるとこんな5000文字を超える突込みをしたくもなるんだっつうの。
社会を舐めないほうが良い、今、自分が生きているのは間違いなく社会だ。そこには人との軋轢や色々な歪があって、みんなその摩擦に耐えながら時には作りたくもない笑顔を振りまいて仕事をしてんだよ。まずは己の身体にその現実を刻みなさい。プロブロガーなんていつでもなれる。30でも40でも50でもなれる。だけどね、若いうちに従事できる企業なんて限られているんだから、もう少し冷静になって経験値を積みなさい。これは、人間性の醸成にもかかる重大な案件だよ、まじで良く考えろって。
後日談
僕がいちゃもんをつけたハチ氏、3/6にこのような記事を公開して炎上?してます。
ブログ儲かるから就活しませーん!という内容ですね。
で、2日後
Googleでの検索順位が急降下し、ブログ収益が激減。
それにともない「やっぱ就活、一生懸命やります!」とのことでした。
ブックマークコメント欄ではスピーディーな身の変わりように好感すら持てるとの意見もありますし、僕も正直、この流れは嫌いじゃありません。
文章力もあるし、物議をかもすほどのエネルギーを持っているのだから、就職するしないに関わらずブログとのお付き合いは続ければいいんじゃないかなーなんて思いましたね。
プロブロガーって、不安定で恐いね。