羆の人生記

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誰しも結婚できた時代と、自由恋愛戦争の与太話

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昭和中期頃には、独身でいると親や近所の世話焼きな人が、婚姻相手をゴリゴリと斡旋してくれて、そんでもって独身でいると周りに奇異の目で見られるもんだから、その二つが相乗効果的なもんで皆が軒並み結婚できたっつう話を、半端にかじった書籍で読んだ。おそらくそれだけじゃなくて、その頃は終身雇用年功序列が当たり前で、ほとんどの人がサラリーマンでも墓場までいける保証があって、それを担保に専業主婦もやれたんだろうし、結婚もトントンと進んだんではないかな。

 

で、現代。世は恋愛戦争真っ只中。結婚するも争奪戦。勝者と敗者以外は何も残らない荒野。その分配も不均衡で、勝者は複数の相手と並行して恋愛結婚もしくは生涯で複数回の結婚を経験する、かたやいちども恋愛経験に恵まれない敗者も多数存在し、経済的格差と肩を並べるかのごとく恋愛にも不平等の法則が当てはまっているという様相。と、いうより、経済格差に伴って、恋愛や結婚の格差も開くのは当たり前か。

 

恋愛や結婚が自由となれば、競争などしなくても独りでも全然平気で、趣味に生きるのも自由なんだからいい時代なのでは?と素で思える人はこの時代の荒波の影響をあまり受けていない部類の人であり、「いちどでいいから恋愛もしくは結婚というものを体験してみたい」だとか「親がうるさくて嫌になる」部類の人は大変に苦心しているものと推察する。

 

で、こんな時代に救世主となるのはヴァーチャルあるいはAI的な恋愛対象または結婚対象ではなかろうか。すでに二次創作の分野でそれは開花しているようにも見えるが、もっとリアリティを追求した、俗的にいえば超リアルなドールのような、しかも自立した思考を獲得した存在。これが実現すれば、自分の理想の相手と生涯にわたり添い遂げることができるし、いらん諍いもない、たいへんに都合の良い恋愛や結婚ができることと思う。

 

これが独りよがりな考えだというのは百も承知ではあるけれども、ただ、恋愛や結婚をノーストレスでやっている人などほとんどいなくて、これら所詮他人とのシーソーゲームなわけで、自我もあれば我儘も言うわけで、自分の思い通りに100%なるわけではない、のは経験した人ならば十分に承知のことかと思う。リアルな、本当の人間と、恋愛あるいは結婚というものを社会通念上で「まっとう」できた人にあっては、ある程度、他人とすり合わせてその中間を取れるような、仕事もそこそこにできて「できた人」なんだろうなぁと。

 

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件の親やお節介さんにあてがわれた人の中には、超絶頑固親父や今でいう性格破綻者であっても、奥さんという位置づけの人が3歩後ろから無言で追従する時代も確かにあったのかとは思うけれども、それはあくまでも仕事がしっかりとあって、かつ、独身であることがさも罪であるかの如き扱いを受けた時代に生きていたために、せざるを得ない結婚をしたせいでもあって、それは今の時代ではあまりあり得ないことなんでしょうね。こんな気むつかしくて正確破綻した男性女性に恋人や配偶者はなかなか出来っこないですもん。

 

まぁ、というわけで、現代の結婚したくてもできないし、したとしても他人とすり合わせて上手くやっていく自信や能力のない人にとってみれば、恋愛や配偶者の相手が超リアルに製造されるシンギュラリティを待ち望むしかないのではって感じる。もしくは、格差が是正されて再び誰しもが人らしい生活のできるような仕事に就ける社会が実現するかね。こっちのがむつかしいかな。