この記事では
- アパート等隣人の騒音トラブルはどれくらい多いのか
- トラブルに遭った場合はどうすればいいのか
- 法律的に騒音を解決できるのか
などを記載しています。
この記事を書くきっかけ
Yahoo!知恵袋を何気なく眺めていたら「隣人との騒音トラブル」閲覧数がやたらと多いことに気が付きまして「どんだけ騒音に悩まされている人がいるのか」という素朴な疑問と、それを解決するために何か役に立つ情報を発信できないかと考えたのがきっかけです。
僕自身は昔、一人暮らしを始めたころにアパートに住んでいて、2階の住人が0時頃から音楽を流し始めるので壁ドンならぬ天井ドンをかましたことがあり、それでも止まないのでお手紙を入れて直談判を試みた経験があります。結局、話し合い等もなく相手方が引っ越していき、その問題は終息したのですが。今考えると、スマートな方法ではなかったなと思います。
あ、いちおう説明しておきますが
集合住宅などで隣の部屋が騒がしい時に壁をドンと殴る行為
これのことですから。
女性を追い詰める壁ドンはあとから解釈が変わって、本来はアパート等隣人に対し壁を殴る等の行為を指すネットスラングだったんですね。
騒音トラブルの多さ
プレリリースさんの調査結果によると、近隣トラブルに遭ったことがある人は43%、そのうちの40%が「1年以上続いている」状態、さらにそのうちの
31%が「騒音」でトラブル要因のTOP
です。
※2014/2/17~2/25 対象1136人へのアンケートより
Yahoo!知恵袋で閲覧数がうなぎ上りになる理由も、これでわかるってものですね。この調査を信頼するとすれば、相当数の人が隣人との騒音トラブルに巻き込まれている、ということになります。
では、これらの解決はどのようにすれば良いのでしょうか?
遭った場合の解決法
直談判
僕が過去にやったように、お手紙を投函する、などですか。もしくはチャイムを鳴らして直に顔を合わせ、苦情を述べる。これは日本人の気質的にハードルが相当高いですね、お互い様の精神で事なかれな人がマジョリティですから、肝の据わった行為といえます。
伝わって理解を得られれば丸く収まるかもしれませんが、拗れて嫌がらせに発展したり傷害事件を起こす可能性も否定できず、自力解決というのはリスクを伴います。壁ドン床ドン天井ドンは言うまでもなくトラブルを拗らせる危険性があります(笑)止めたほうが良いでしょう。
管理会社へ連絡
これは今回記事を書く上で参照にしたサイトのほとんどに記載されていました。アパートの管理会社は居住者の環境を良くする義務が契約書類で謳われていることが多く、それを履行する義務がある、との内容です。現在進行形で住んでらっしゃる方は、いまいちど契約書類を見ると良いでしょう、それを根拠に話を進められるかもしれません。
マンションなど分譲住宅の場合は、管理組合があることでしょうから、そちらのほうに連絡するのがここで該当する対策となります。
アパートにしろマンションにしろ、個人の住居の集合体ということで、行政が介入しずらい場所であることは間違いありません。そのような集まりを統括する権限を持つところに相談する、というのは筋が通っています。僕は過去に悩んでいた当初はその頭はありませんでした。
法律的にはどうなのか
法律にこのようなものがありますが
第一条 この法律は、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴つて発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行なうとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。
第一条を見るに住宅やアパートマンションの騒音を規制するものじゃなく環境、外部からの騒音を規制する法律です。隣人騒音に悩む人の根拠にはなりえません...。これ以外に個人住宅の音を抑止する法律は「民法のほか」ないようです。
民事事件として訴える場合は、その根拠としては、民法709条の不法行為によることとなります。
この条文では、「故意または過失により他人の権利を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められています。
これを隣人騒音問題に当てはめると
受忍限度を超える騒音=不法行為成立となります。
民法709条「不法行為」を適用して相手の騒音を法的に糾弾する方法もなくはないようです。それにしても「受忍限度」というのは人それぞれで違って、すごく大きな音でも平気な人もいれば微細な音でも気に病む繊細な人もいるわけですから、簡単な問題ではないのですよね。
過去の裁判事例なども鑑みながら、時の司法がそれに判断を下すことになると思われます。 裁判で争う!となればの話ですが、ここらへんは法律やさん(弁護士)に要相談ですね。なお
【判例】 マンション上階の騒音 (東京地裁平成19年10月3日判決) - 東京・台東借地借家人組合1
こちらは「受忍要件を超えた」と裁判所が判断し、マンション上階の騒音に対して法的な措置を下した事例です。詳細はリンク先を参照してください。
・・・ただ、ちょっと気になるところが。
なお,本件音のようなマンションの階上からの生活音については,本件条例136条は適用にはならない。
本件条例136条ってのは
(規制基準の遵守等)
第百三十六条 何人も、第六十八条第一項、第八十条及び第百二十九条から前条までの規定に定めるもののほか、別表第十三に掲げる規制基準(規制基準を定めていないものについては、人の健康又は生活環境に障害を及ぼすおそれのない程度)を超えるばい煙、粉じん、有害ガス、汚水、騒音、振動又は悪臭の発生をさせてはならない。
これのことなんですよ。
つまり、裁判所はマンション上階の騒音について条例違反に当たらないという判断を示しているのです。これでは各都道府県の条例を拠り所にして騒音問題と向き合うには不安です、司法の過去の判断は看過できない。
もし、法的に争う(弁護士を介して)つもりなら、民法第709条が主眼となり、そこで
裁判における有効な物的証拠としてトラブルとなった隣人との経緯などを詳らかに記録し、騒音計などで毎日件の騒音を記録する必要がある
ってことです!大事なことですので文字を大きくしました。騒音問題で裁判も辞さない覚悟がある人は、とりあえず過去の裁判事例の経緯を隅から隅まで穴が開くほど見ておくとスムーズに戦えるはず。
騒音の目安
全国環境研 騒音調査小委員会より
参考です。
おわりに
絵美:となりの騒音がうるさすぎて今日も壁ドンですよセンパイ!
理沙:壁ドンは駄目ね、あなた女の子なんだからもし相手の怨嗟が募って攻撃でもされたらどうするの?
絵美:それは怖いですぅ
理沙:でしょ。とりあえず管理会社へ連絡よ。それでも取り合ってくれなかったら役所に電話で相談することね。騒音計も貸してくれる場合があるそうよ。最終手段は弁護士に相談!
追記
アパート等隣人騒音トラブル法律問題や解決法など - ポジ熊の人生記
管理会社に言っても改善されない場合、110番で警察が対応してくれます。すぐに駆けつけて、状況を見て注意してくれるので、手を焼いている方は警察に頼るのをおすすめします。
2016/11/30 18:49
ブックマークコメントに参考となる情報が寄せられております。
警察機関への通報も有効な手段ですね。