アイコス吸ったら具合が悪くなる。
手指が冷たくなって、全身から汗が滲み出るのが分かる。
椅子にも座ってられなくなって、横になる。
しばらくして、やっと具合が元に戻る・・・。
アイコスって、凄く健康に良くないんじゃない??
→本「新型タバコの本当のリスク」を読んだ
→やっぱり「アイコスは科学的に見ても体に悪い」ということがわかった。アイコスだけ矢面に立たせて申し訳ないけど、プルームテックもグローも体に悪い。
・・・え、こんなこと知ってたって?
けど、科学的にどう悪いか、までは知らないんじゃない?
科学的にどう悪いかは、本が教えてくれるんだよ。
本「新型タバコの本当のリスク」とはどんな本か
新型タバコ*1の理解を社会に広めるべく、著者が科学的事実に基づいて加熱式タバコ*2にまつわる10の疑問に答えている。
加熱式タバコにまつわる10の質問
- Q:有害物質は出ない?
- Q:ニコチンは含まれない?
- Q:新商品であり、イノベーションの成果?
- Q:かっこいい精巧な電子機器?
- Q:自分自身の健康にほとんど被害がない?
- Q:他人への害(受動喫煙の被害)がない?
- Q:害は、紙巻タバコよりもまし?
- Q:害は、まだ何もわかっていない?
- Q:加熱式タバコに替えて配慮したのだから、いいでしょ?
- Q:いいものだから、どんどん勧めるべきでは?
以上について、書籍内では科学的事実に基づいてわかりやすく記載されている。
冒頭で1と5については答えを述べたようなものだね。普通に身体に悪いし、葉タバコに匹敵するくらい健康被害がある、と書籍では述べているよ。タバコ会社は嘘つき。
新型タバコの特徴
- 葉タバコから出るのは「煙」で、新型タバコから出るものは「エアロゾル」である
- アイコスとプルームテックでは構造が違う
などなど、図解でわかりやすく新型タバコの構造を解説している。
相手の正体がわからなければ、向き合うこともできないので、新型タバコに対する構造上の知識は非常に重要といえる。
新型タバコの歴史や現状
- そもそも新型タバコはいつから作られたのか、その経緯は。
- 現在、加熱式タバコを吸う人は日本にどれくらいいるのか?
このような歴史や現状も、調査などで明らかになった数字を根拠に紹介してくれている。
現状をざっくりと書くが、主にアイコスだが加熱式タバコを吸う人は喫煙者の約50%である。
タバコ会社の欺瞞
著者はタバコ会社に対する欺瞞を強く糾弾する立場を明確にしているように思える。
タバコ会社の内部告発で明らかになった、数々の欺瞞。そして、現在も副流煙の害を認めないJT。
悪はタバコ会社にある。そのような強いメッセージを感じずにはいられない。
タバコ会社は未成年に対してもマーケティングを行い、いかにニコチン中毒者を増やそうか、ということに腐心している。
先進国でタバコが売れなくなったら、次なるターゲットは途上国。人類史上類を見ない殺人マーケットを、己の利益ほしさに堂々とやっているのである。
喫煙者は「被害者」である
著者は「喫煙者は被害者だ」と断じている。
世間では喫煙者と非喫煙者を分断するような対立が煽られがちがだ、これもタバコ会社の巧妙な戦術、とのこと。乗せられちゃ駄目。
依存性のあるニコチンを、国公認で売っているのだから、それを摂取してしまった喫煙者に罪はない。加害者ではない。むしろ被害者である、と。
だから、みんなで新型タバコについてしっかり向き合い、今後のことを考えていかなければいけないって、著者は言ってるよ。喧嘩している場合じゃない。自分の依存症のこと、周りの副流煙を吸う人のこと、もっと考えないと。
アイコスとの出会いから書籍購入まで
アイコスとの出会いから本「新型タバコの本当のリスク」購入までを以下に記載する。
「アイコス」というものの認識
鳴り物入りで日本で売られ始めた「アイコス」。
2016年4月の「アメトーーク!」で放送されて以来、爆発的な知名度を獲得し、瞬く間に全国に広がった恐ろしいガジェット。
当サイトでもアイコス紹介記事をそれ以前に公開していたのだが、その日は1日10万アクセスを記録した。テレビの影響力に身震いする瞬間であった。
さて、実際に「アイコス」はかつての葉タバコの健康被害を9割カットしているのか?タバコ会社のHPで公表している情報を見ても、いまいちパッとこない。
周りでは「アイコスに切り替えてから呼吸が楽になった」などという人が結構いて、「まぁ、おそらくだけど、葉タバコよりはずっとマシなんじゃないかな?」くらいの感覚で思考を止めていた。
実家で親が吸い始めたから、試しに吸わせてもらった。
そうしたら、冒頭で述べたような身体反応が起きた。
とにかく、具合が悪くなった。葉タバコの非じゃない。全身から血の気が引いた。
「これは、絶対に健康によくないでしょ」と、体が警告を発しているようだった。
「電子タバコ」を吸い始める
葉タバコは体調を害すし、アイコスは割高だ。それならば海外からニコチンを輸入して電子タバコで吸引すればどうだろうか?
ということで電子タバコをしばらく吸っていた時期がある。ノウハウを手ほどきするブログ記事も書いたことがある。人気記事だったが、現在は削除した。ニコチン中毒者を広める手伝いはしたくないので。
禁煙をする
アイコスだろうが電子タバコだろうが、ニコチンを吸うことに変わりはない。
ニコチンを吸うと、脳がガツンと殴られて、頭がぼんやりする感覚に日常的に苛まれる気がする。
だから、禁煙を決意した。それが2019年2月1日のこと。それから現在までは禁煙継続中。
ニコチンは幸せを感じにくくする、というのが実験により明らかになっている。それは、本「新型タバコの本当のリスク」にも書かれていて目から鱗が落ちる気持ちであった。
ニコチンにドーパミンを支配されたくないから禁煙している - ポジ熊の人生記
過去にこのような記事を書いたが、僕の見立ては間違っていなかったようだ。
インターネットで本の存在を知る
「新型タバコの本当のリスク」という本のタイトルを一目しただけで、すぐにスマホを開き、Amazonで調べた。電子化はされていない。だから、近場の本屋に行くしかない。
購入後、2時間半で一気に読み切った
本屋に付随したカフェに2時間半も座り込んで、一気読みしてしまった。
僕がタバコ全般に対して興味があったのも要因のひとつと思うが、基本的にこの本はとても読みやすいのだろう。
本1冊を一気に読めるというのは、よほど面白く読みやすい作りになっていなければ、できるものではない。1年にいちど、出会えるか出会えないか。
喫煙者、特に「新型タバコ」を吸っている人は読むべき本
画像出展:加熱式たばこ | IQOS(アイコス)公式サイト・革新のたばこヒートコントロールテクノロジー | フィリップ モリス ジャパン
- 毎日、何気なく火をつけて吸い込む煙に、どんな成分が入っているか。
- あと数十年吸い続けたら、どのような病気になるのか。
- 寿命はどれくらい縮まるのか。
- 周りにいる人への影響は。
すくなくとも、これくらいの知識は最低限もって、葉タバコを吸うべきだろう。
今はタバコ会社の内部資料が内部告発によって明るみに出ており、いかにニコチン中毒者を増やすために恐ろしい手法をタバコ会社がとっているかは、簡単に知ることができる。
もう、葉タバコの居場所はなくなっている、といっていい。
だから、タバコ会社は「新型タバコ」なる商品を開発した。
あたかも「洗練された」「スマートな」「クリーンな」「クールな」「新世代の」という印象を引っ提げて。まるでappleの新製品のような透明感で、その恐ろしさにベールを着せて。
アイコスは日本を席捲しつつある。まもなく、葉タバコより加熱式タバコを吸う人の数が上回るだろう。
・・・で、実際に、加熱式タバコは健康被害を大幅に低減したのか?
答えは
否
である。それはこの本を見ればわかる。
普通に健康に悪い。葉タバコに匹敵する。
いやもっとタチがわるい。データがないから、新成分によってどんな病気に罹患するか、見当がつかない。そういう意味ではまだ葉タバコの方がマシ。
国を挙げた人体実験が行われているのが今の日本。アイコスの壮大な人体実験の結果は、おそらく数十年後に明らかになるはず。
でも、きっと、タバコ会社は責任を取らない。病床で後悔したまま苦しんで死ぬのは、新型タバコを信じて吸い続けた喫煙者。
補足だが「電子タバコ」も体に悪いと書いてある。グリセリンを加熱すると、発がん性物質であるアルデヒドを生成する。もう電子タバコも吸う気持ちは起きない。
書籍内では副流煙についても触れている。
新型タバコは葉タバコと比べて副流煙を大幅に低減していることは、科学的にも明らか。しかし、害はやっぱりある。PM2.5も舞う。比較や程度の問題。周りに吸わせていい物質じゃない。
新型タバコだから、禁煙場所でも吸ってOKとはならないし、させてはいけない。副流煙被害は間違いなくある。これも本に書いてある。
加熱式タバコに含まれる有害物質とそのリスク
上記の表は書籍55p、第3章 新型タバコから出ている有害物質から引用したものである。ここまで主に感情論で新型タバコのデメリットをまくし立ててきたが、「本に書いてある」一辺倒では皆さんにその有害性は伝わらないのではないか、と考え、引用に踏み切った。出展はいわゆるタバコ白書(参考文献【34】参照)。
IARCグループ分けとは世界的に収集された科学的根拠に基づき発がん性の有無について判定したもの。1は十分な証拠あり、2Bはヒトに対する発がん性あり、3はヒトに対する発がん性について分類できない、となっている。
WHO-9とはWHOが2008年にタバコにおいて低減させるべき9つの有害物質として取り上げたもの。
加熱式タバコの有害性は、含有化学物質同士の複合作用が不明であり、それを解明しつくすことは不可能であることに恐ろしさがある。つまり誰しもが健康被害を科学的に知り得ない事実を知りながら、ニコチンを摂取するために吸い続けるということ。タバコ会社の懐を肥やすために!
複合作用が不明であることが最大のリスクではあるけれど、表が示すように事実、加熱式タバコにはこれだけ有害物質が含まれている、ということがおわかりいただけただろうか。そりゃ、アイコス吸えば床に突っ伏して吐き気で動けなくもなるわな(笑)という実体験上の感想がまたもや浮かぶわけ。
なんだか洗練されたカッコいいガジェットから煙がプカーっと出て、気持ちいい印象を持っているかもしれないけど、あれ、最悪だからね・・・。
最後に
加熱式タバコだろうが電子タバコだろうが、吸わないに越したことはない。
「本に書いてあること鵜呑みにして踊らされている」と見る人もいるかもしれないが、経験則で知ってるんだよ。葉タバコも、加熱式タバコも、電子タバコも、体が悲鳴をあげていた。ニコチンも、脳が嫌がっていた。
だから、自分の体験談と、本の知識がぴったりと合致して、より考え方が強化された、といったほうがいい。なにも、行ったことのない土地のことを書いてある本を読んで、さも行ったような話をしたいわけじゃい、ってことは分かってほしい。
この本は読んでほしい。
- 非喫煙者はタバコのさらなる恐ろしさに身震いし、よりタバコに手を出さなくなるだろう。麻薬のドキュメンタリーを見る感覚で。
- 喫煙者は自分がどれだけ健康に悪いものを吸っているか、また、ニコチンのせいで幸福をいかに感じにくくなっているかを知ることができるだろう。
- 新型タバコユーザーはタバコ会社にまんまと騙されたことに憤慨し、禁煙にチャレンジすることになるだろう。
僕を含め禁煙者は、この本を読むことでより禁煙に対する気持ちが強化されるだろう。
新型タバコ、さもお洒落で「私は善人ですよ」みたいな顔をしているけれど、そうやって綺麗ごとを言ってる人ほど、腹の中が真っ黒なのと一緒。中身は反吐が出るくらいに酷悪なものだった。ガジェット感に惹かれて一時、興味を持っていたのが恥ずかしくなる。
著者は優しい。新型タバコに切り替えたこと自体は素晴らしいことだ、と言ってる。喫煙者を否定してはいけない。余計に分断が広がり、タバコ会社の思うつぼである、と。ただ、みんなに真実を知ってほしいみたい。これだけ科学的に体に悪いものを吸い込んでいる。タバコ会社の情報に踊らされて。それでもあなたは吸いますか?と。
以上。