ポジ熊です。
書籍『沈黙のWEBライティング』を読み終わったのでその感想を書きます。
とりあえず読み終わって一言
「これぞWEBライティングの王道なり!」って感じ。
皆が目指すべき道が、この本には記してあります。
どんな本?
群馬県須原の温泉宿を取り仕切る若いオーナーの女将と弟が四苦八苦してWEBで集客を試み、それを凄腕のWEBマーケッターであるボーンとそのパートナーであるヴェロニカがサポートし、妨害を受けつつも盛り上げていく様相を漫画形式でわかりやすく伝えるものです。
『嫌われる勇気』もそうですが、ストーリー形式、対話形式での魅せ方が読者に訴求力を持っている感じですね。最初はうだつの上がらない、WEBライティングの知識も危ないグレーなものを有して挑んでいることろにメスを入れるあたりが痛快です。
現時点でも旧来の「共起語の含有率は〇%がいい」などのSEOが当たり前だと考えている人はこの本を見て目を覚ましてほしいなって思います。書籍内で登場するボーンは「そんな化石のようなSEO知識は今すぐ捨てろ」と一刀両断です。
まさに「王道」です、これをひたすらに謳っています。グレーなゾーンはほとんどありません。外部リンクを受ける際にキュレーションメディアからの被リンクに言及して「有効である」的な記述はありますが、モラルの問題とはきっちり切り離していますので昨今のwelqやnaver問題に関してはセーフじゃないかなと見ています(笑)
とりあえず読みやすいんですよ、漫画形式なので視覚にもがっつりと訴えかけてきて頭の中にスルリと入っていく感覚です。また、漫画パートの終わりにはヴェロニカさんを主役にしてテキスト形式でその章のまとめ的な解説がきっちりと載せられていますので、資料としても安定感があります。漫画だけじゃなく解説本としても機能してるってことです。
また、SEOの知識だけじゃなくてボーン曰く「文字には伝える限界がある」ってことも心に響いた箇所ですね。漫画で伝えられるストーリーの中にミュージシャンの夢を途中であきらめた青年の下りが紹介されていて、そこを取り上げたものなんですけど。これには読んでいる僕も心を打たれましたね。そうなんですよ、テキストだけじゃないんです。イラスト、音楽、ダンスなどなど...誰かに想いを伝えるというのは色々な形がある、それを各自得意な形で伝えればいい、ただそれだけなんですよね。
エモーショナルライティングについて
作中で触れられるエモーショナルライティングについてですが、つまり伝えたい人の感情に訴えるようなライティングってことです。今まさに僕が綴っているのはエモーショナルライティングですね、ここを見ている人に、書籍の魅力を伝えたいんです。だからこの本を見てどれほど面白かったのかを主観を交えてエモーショナルに書いている。
単純に感嘆符をつければそれが感情に訴える文章になるかといえば答えはNoです、この本を勧めたい、この記事を書き上げたい、こういった熱意の集大成がテキストに蓄積されて伝わる文章として出来上がると思うのですよね。
「SEOに有効なのは熱意のある文章じゃないか」という話題がいくばかりか散見できた時期がありました、これについては僕も同意したいですし熱意のある文章は検索上位表示に影響しているのではなかろうか?というのは大マジで考えているところなのですけど、こういった話題には必ず「じゃあ松岡修造さんが書いた文章はSEOで有利なの?」という指摘を受けます。うーん、これはどうなんでしょう、単なる揚げ足取りなんじゃないかってこういうコメントを見ると思っちゃいますけど、でも僕的には松岡修造さんが伝えたい熱意を全力でテキストにしてぶつけたらやっぱり見ている人には伝わると思うのですよね。無思考でスクロールして飛ばす箇所じゃなくて「うわ、熱い」って感じて少なからず影響を受けて凝視しちゃうんじゃないかな。それがSEOに影響を与えていると思うのです。機械的なシステム的な云々じゃなくて見ている人の心が動かされる、これを考えれば形は違いますけど多数公開されている松岡修造さん動画が多くの人に愛され閲覧されている理由がわかる気がするのですけどね。だから件の指摘「松岡修造さんが書いたらSEO上位表示なの?」という若干アイロニーに感じるこの指摘も的が外れてないように思えます。
話は少々脱線しました、書籍に戻りますけどこの「エモーショナルライティング」についてもっと深くわかりやすく解説していますのでどうか書籍をご覧になって会得していただきたいなと存じます。なんだかんだ述べましたが肝心なのは「伝えたい気持ち」なんですよ。細かなテクニックなど枝葉であり些末でありあとから付け足すようなエッセンスに過ぎないということをこの本から学んでください、謳っていることはすべて「王道」なんです。
読んだらあなたの文章は変わる
確実に変わります、僕が今書いている文章も『沈黙のWEBライティング』を読んで確実に変化していることを実感しています。どうすれば伝わるのか。感情を込めた、訴求力のある文章とは何なのか。他者を貶めずWEBをかき乱さず、全体の利益のことを考えつつ独自性を強調して結果を出すようなライティングとは何なのか。まさに王道、これぞ王道。それをわかりやすく教えてくれるのがこの書籍なのであります。
かなり主観的な書評になりましたが、プロットの組み方からロジカルな説明まで、書籍内ではきっちりと構成されていますのでご安心ください(笑)いつでも読み返して資料にできるような要素が満載です。合わせて、漫画(ストーリー)もWEBライティングネタを交えた創作ものながら続きがとっても気になるようなエンターテイメント性が抜群です。ラストは感動すら覚えるほど。続きがあるなら見てみたいなぁ。
ブログ関連でおすすめできる書籍はほんの一握りですが、沈黙のWEBライティングはその一握りの中にみごとランクインしました。どうか手に取って、あなたのライティングを向上させる要素として取り込んでください。買って損のない書籍の紹介でした。