今年の夏から、家庭菜園にトライですよ。
きっかけは職場のおっさんに喧嘩売られたから。
"お前の庭は雑草だらけだもんな、一生あのままだね。野菜なんて、根性なくて育てられっこない"なんて鼻で笑われてカチンときまして。「おうおう、やってやろうじゃねえか、今年こそは一念発起だ!」こんな具合に始めたわけですよ。ええ、初挑戦です。そんなお話。
散々スルーしてきた
もうちょっと与太話する
今までも、嘲笑されてきたんですよ。雑草だらけだけど、まったく庭の手入れをしない僕の家については、ちょいちょい突かれてた。
けどね、スルーしてきたんです。庭を手入れしないで笑われるほうが、「メンドクサイ」よりはマシだろってことで。惰性が勝っていたんです。内心、ムカついてましたけどね。
でも、なんででしょうね、30も半ばを過ぎて「家の庭くらいは、綺麗にしたい」って気持ちが自然に湧いてきた。ポスト団塊のおじさん方々も、聞くところによると30代は酒とパチンコと麻雀に明け暮れて庭の手入れどころではなかったそうではありませんか。
っておい、人のこと言えねーじゃん!
・・・まぁ、怠惰な僕の住居環境を見ると、かつてだらしなかった自分が思い起こされて、過去の自分はすっかり棚に上げてお節介をしたくなるものなのかもしれません。
与太話はこのへんにして、僕がいかに家庭菜園までこぎつけたかを語ります。ちょっと長いかも。
雑草を取る
よーし、いっちょやってやらぁ!
なんて立ち上がったのは良いんですよ。心意気はOK。しかし、庭は壮絶なことになっていました。雑草が凄い。もう凄いとしかいいようがない。
中には雑草から明らかにクラスチェンジして、ちょっとした幹を持つものまで現れています。悪の芽は若いうちに摘んでおくのが吉なのだな、とこの時に身に沁みました。
僕の装備一式
- 剣先スコップ
- 軍手
- ゴム長靴
以上の3点セットです。
雑草取りには、色々と便利なアイテムが市販されているようで、Amazonのラインナップが鮮やかになっていましたけれども。モットーは「いかにして費用を抑えるか」にしました。お金をかけるなら外注一発で終わるじゃないですか。でも、お金なんてないし、そんなことをすると基本的に大事なことというか、自然と戦う過程で学べる、言葉にできない魂的なものを見過ごしてしまうんじゃないかと思って。それで剣先ひとつで戦いきってやろうと。なんか、カッコいいし。
ブチブチと手で抜けるところは抜く。化粧砂利の間に入り込んだスギナは、根っこを掘り出せなければ砂利をかき分けて根っこを抜いてやる。ずーっと、日がな中腰で作業するものだから、4~5時間後には腰が崩壊するんじゃなかろうか?というくらいに重だるくなります。休憩は適度に挟みましょうね。
自治体指定の燃えるゴミ袋40L×6枚の雑草となりました。ここまでくると壮観ですよ。ゴミの日まで少々日数があったものですから、ごみ袋を玄関前に置いておいたのですが、カラスが袋を狙うので物置にしまわざるを得ませんでした。べつに美味しいフライドチキンの骨とか捨てたわけじゃないのに、あいつらは何を狙っているのだろう??
ってなわけで、雑草取りはコンプリート。戦いはここからです。雑草取りに要した日数は2日間でした。
土起こし
地獄って、こんなところにあったんですね
剣先スコップで土を掘ります。ひたすら。で、これ何のためにやってるかというと、土起こしのためですね。石や雑草の根が入っていない土にすることで、そこに将来植えるであろう野菜の種がスクスク育つ土壌を作ってやろうってことです。フィールド作りですな。
範囲は40cm(深さ)×1m(幅)×10m(長さ)程度。職場のおっさん曰く"1m×1mで深さ30cmでも、今年は終わるだろうな、ガッハッハ"とのことだったため、度肝を抜いてやろうとムキになって今回の規模に設定しました。後悔先に立たず。
剣先スコップで土に一撃→ガキン!
95%の確率で、何らかの石に当たります。
なんでこんなに石だからけなんだ??
土にスコップを突き立てた時に与ダメージが数字でポップするとしたら、おそらく「1」という数字が果てしなく続いていたと思います。硬い、硬すぎる。
聞くところによると、この近辺はかつて川があったそうで、それを埋め立ててできた土地なんだそうな。だもんだから、小、中規模の石ころは無尽蔵に埋まっているということらしいです。なんという迷惑な。食えればうれしいけど、何の役にも立たない石ころです。
作業を初めて1週間が経過した頃でしょうか。
3、4mまで掘り進めて、こう感じました。
これ、土起こしじゃなくて「石堀り」じゃん。
と。でも、こんな愚痴を聞いてくれる人は傍にいませんからね。独り言で呟きながら、ひたすら作業を繰り返しました。掘って掘って、また掘って。手に豆を作りながらも、「いつか必ず終わる、ゴールはある!止まない雨はない!頑張れ俺!」と、松岡修造をイメージしながら自分を鼓舞し続け、ひたすら掘りました。
ついに、土起こし完了です。
所要日数:15日間
感想:地獄
土ふるい
地獄の第二階層へ
作業の進捗状況は、ちょいちょいポスト団塊どもに伝えてたんですよ。カチンときただのムカついただの散々なこと僕も言ってますけど、息子のように可愛がってくれるおじさん方には好意を寄せていますので、土いじりの報告はするんですね。
そしたら"おう、やるじゃねえか。だが、そこから先が大変だぞ。土ふるいがなんせ大変な作業なんだ。ま、やってみりゃわかるさ"とのこと。
いやいや、もう十分これまで地獄見たんですが・・・
なんて呆気にとられつつも、土ふるいの作業方法を聞いたことろ、どうも『土ふるい器』が必要なようですよ。
土ふるい器を手製した
今まで、土を掘ったじゃないですか。そうすると、掘り起こした土が、穴の横で山になってるんです。その山を網目状の道具にのせて、それをふるって石や草の根を取り除き、土だけを穴に戻す、という作業が必要になってくるんですね。石や草の根は、手作業で取り除くことは大変ですし、時間がかかります。なので、専用の道具を使おうってことです。
高い!
なんでこんなに高いのか。信じられない。
ってことで、僕は自作することにしました。
- 垂木を4本
- 焼肉網2枚(大・小)
- スズランテープ
以上の3点を用意して、垂木2本を適当な長さに切ります(要のこぎり)。
焼肉網(大)に垂木4本をセットして、焼肉網と垂木を結びます。
焼肉網(小)1枚を半分に切って、両サイドに設置します。
この滲み出る手作り感\( 'ω')/!!
意外と仕事しました、これ。
5mまでは、耐えきりましたもん。
でも、そこで底の焼肉網が崩壊しまして、交換を余儀なくされました。だもんですから、焼肉網(大)は予備に1枚買っておくと良いかもしれません。畑の規模にもよりますけど。
右側のステンレスパイプですが、これは長さを見誤ったせいで、継ぎ足して長さを作り出す必要に迫られての応急処置です。どういうことかというと、土ふるい器を幅1mの穴に乗せた際に、両サイドの長さがないと、穴に器が落っこちちゃうんですよ。そうなると、作業効率が一気に落ちる。器の長さは1.5mはあったほうが良いですよって話。垂木も、そこらへん考えて買いましょうね。
あ、サイドの羽は焼肉網(小)を半分に切ったものです。これ、有なしでかなり効率かわりますよ。土をいっぱい乗っけても、サイドから零れ落ちなくなるんです。土をいっぱい乗せることができる!・・・これが仇になる部分もあるんですけどね。一人で作業して頑張りたい、効率を上げたいマッチョな人にはおすすめ。
これだけ買っても1000円少々です。自作万歳!
土ふるいの作業強度が半端じゃない
土起こしも凄かったけど、土ふるいも凄い作業強度で参りました。
器に土を乗せる→穴に入って器を持ち上げる→ゆっさゆっさ→器の残った石と草の根を捨てる→器をセットする→器に土を乗せる(以下ループ)
これをスレイブのように繰り返します。こういう強烈な単純作業を、人は外注で補おうとするのですね、わかります。でも、僕はそれをしません。今年はポスト団塊との根性比べなんです。意地です。絶対にやり切ってみせる!
痛い!!
指の付け根に屈筋腱があって、そこにビリリとした電撃のような痛みが走ります。これは土ふるい器に乗せた土の量が多すぎて、両手で器を把持して左右にゆっさゆっさした際に腱の一部に過剰な負荷がかかってしまい、痛めた瞬間と思われます。いった~。
器に乗せる土の量は、作業が進めば進むほど、増える傾向にあります。何故かというと、1分1秒でも早くこの過酷な作業を終えたいからです。少しでも効率を上げようと、乗せる量を欲張って増やしちゃうんですよね。でも、焦りは禁物です。結局、右手の第2指~第4指、左手の第2指及び第4指について屈筋腱を壊してしまいました。未だ加療中です。
コロを使うと良いみたい
金属パイプ2本に土ふるい器を乗せて、そこを転がすように土をふるってあげれば、手を壊すこともないし楽みたいですよ。コロを使う、って表現するみたいですね。でも、僕はそれをやりませんでした。いまいち、設置の仕方がわからなかったし、腕力でゴリゴリと作業を進めたほうが効率が良いんじゃないかと自己判断したのです。コロを使ってない旨をおっさん方に話すと"おまえ、あの作業をコロなしでやったのか!?呆れた"と絶賛してくれました。鼻が高かったです。
コロ、使った方がいいですよ。手、壊しますもん。
http://www.mick3.com/diy/dougu/dougu.htm
参考画像及び引用リンクです。
これは本格的ですね。ネコまで使ってます。
http://review.rakuten.co.jp/item/1/194418_10070238/1.1/
楽天の商品リンク画像ですけど。
一般人が家庭菜園初挑戦するなら、これくらいで良さそう。
値段がやばい。やっぱり手製が良いよ。
所要日数:15日間
感想:怪我に注意、精神力を最も使う
苗を植えて一言(おわりに)
辛かった、本当に。
ポスト団塊のおっさん達、なめてましたごめんなさい。
あんたらすげえよ。
でも・・・
畑を作って良かったー!!
と、こころの底から叫びたい気持ちでいっぱいです。
土いじりは時間を忘れます。
ポカポカ太陽の下で、自然と戯れる喜びは、ほかの何にもかえがたいものがあります。これはきっと、土をいじった人にしかわからない感覚でしょう。僕はそれを手に入れたのです。
要した時間は約1か月程度でしたが、ほんのわずかでも「無駄」と感じた時間はありませんでした。とても有意義です。度を越さなければ健康にも良いですし、夜もぐっすり眠れます。
伝説の剣・・・ではなく剣先スコップ
今までは、雑草ぼーぼーで庭なんかに興味はありませんでしたが、今では朝起きてまず初めに庭を一回りするようになりましたから。僕もすっかり、おじさんの仲間入りかもしれません。でも、良いですね、これ。毎朝、土の臭いを嗅いで、野菜の育ち具合を見に行って、喜ぶ。とても自然な営みに感じます。
植えた苗たち
また雑草が勢力を拡大してきましたね。
庭ってのは、いちど手を入れると、それからは一生お付き合いしていかねばならない、メンテが必要なようです。
ちょっとした思い付きで戯れても、雑草の自然の力が一時の感情などは知ったこっちゃないといわんばかりに襲い掛かってくる。これから、庭を守り続けていく覚悟がなければ、綺麗な庭の維持なんてのはできないんでしょうな。
さてさて、この出不精な性格で、どこまで庭を維持できるのか。自分が試されるような気がします。これは成長のいい機会です。家の周りを雑にしておかずに手入れするというのは、社会性が試されます。野菜を育て上げるというのは、生命を育む慈愛の心が試されます。これらをパスしてこそ、真の人間性獲得の階段を上がる一歩一歩になるのではないかと考えています。
野菜も収穫していないのに、今の段階でちょっと飛躍しすぎた考えかもしれません。けど、土起こしてふるって苗を植えた今は、確実に一歩を踏み出したなという実感があります。まだまだ、自然との歩みは始まったばかりです。
今回、伝えたかったのは、作業の大変さもそうですけど。
自分の畑を持ったら、世界観が少し変わるよということです。
手にマメを作りながら、長い時間をかけて苦労すれば、愛着も沸いてくるもの。
こういう自然との営みも、日常生活に織り交ぜてみてはいかがでしょうか~。
というわけで雑草抜いてきます。