「禅 ZEN」ってのは映画のタイトルね。
続けて読むと「ぜんぜん」となって、まるでぜんぜんおもろないみたいな印象受けるかもしれませんが、マインドフルネスが好きな(または興味のある)方はじっくりと腰を据えて観てほしい一本。
ストーリーは鎌倉時代に中国は南宋へ渡り、帰国後に日本に禅の教えを広めた「道元」を主人公にした物語。
この映画を観たきっかけは、Amazonで「禅に関する本でなにか良いのないかな?」と何気なく検索していたところ、TOPに禅 ZENがででんと表示されて「今すぐ観る」って書いてあったものだから思わずポチっちゃった。Amazonプライム会員は見放題です。
酒の手をいったん止めて、Amazonビデオで何故か「禅 ZEN」を見始めた。この世が浄土でなくてはならぬぅー
— 羆 (@poji_higuma) 2018年2月18日
感想
終始穏やかに(静かに?)ストーリーは進みます。
道元の南宋を渡り歩く徒歩の旅。
途方もない距離を歩いている雰囲気が伝わってきます。
南宋にて良き師を見つけ、座禅の末に悟りの境地に至るくだりは、ちょっと鳥肌立っちゃいましたね。蓮の花に乗って天空へ上がっていった道元を見て「うわー、やりやがったな」といい意味で度肝抜かれちまったい。
日本に帰ってきてからも弾圧で苦難は続くんですけど、その見事のまでのブレなさっぷりに「道元って凄いんだな」と、基礎知識なしでも何となく感じれるような構成になってる。
禅マスターと呼ばれる彼ですが、作中では感情が入ったり共感して涙を流す様も描かれてて、とにかく庶民を愛し貧者へ救いの手を差し伸べる、鉄の意志を持った偉人なのですけれども、隙のようで隙ではない彼のそういう人間的魅力が物語を強烈に印象深くしています。
あと、禅にもきっと興味が沸きますよ。座禅、組みたくなるはずです。眼横鼻直(がんのうびちょく)、物事をありのままに見ること。これぞまさに釈迦の教えそのものだなーなんて思いながらほくそ笑んじゃいました。
なお、僕は過去にマインドフルネスに関して関連記事を書いています。
友情出演の藤原竜也
藤原竜也は北条時頼役で友情出演なんですけど、滅ぼした相手の怨霊に夜ごと惑わされて、刀を持ってご乱心する様子がこれでもかというくらいに収められていて、藤原竜也パニック好きには垂涎ものです。これ、必要な情報ですよね。
まぁ、そういう狂った有様じゃなくとも、道元と心を交わして最後には穏やかになる過程もしっかりと演じ切っているあたりが、クレイジーなだけが取り柄じゃないという役者魂なんだろうなと。
僕は禅マスターになれそうもない
内田有紀が「おりん」という役で出演します。
おりんは、紆余曲折を経て道元に帰依するわけですけどもね。
道元のもとで修行する僧が、おりんと山中で出会うわけですよ。
そんで僧の足を蛇がひと噛み。
おりんは、こりゃいかんとばかりに僧の足の咬創を口で吸って毒を吸い出そうとするんですね。
それを見て僧はムラムラしてしまって、しでかしてしまうわけです。
すぐに謝罪して衣を畳んで、僧は寺を出るのですね。
「道元様、私の心に色欲の鬼が住み着いてしまいました。」と。
皆は引き止めるけど、僧の決意は固くて結局は寺を出てしまう。
そんで、おりんは「いかないで!」って引き止めるんですけど、僧は「きてはならぬ!」とおりんを拒絶。最後に残した言葉は「ウォーアイニー(あなたが好きだ)」でした。
いやー・・・
あれだね。僕は善マスターになれそうもない。
内田有紀に吸われて、無心を貫くのは難しいですよ。そりゃムラメロ来ますよ。男の性じゃないですかそんなの。反射を止めるのは無理。急に止まれないのは車と一緒。へたすりゃソ〇ー損保も勢いで入ってしまうかもしれない。
禅僧の生活は規律正しく、禁欲的で、そして座禅。あるがままを見る。悟る。しかし悟りがゴールではなく、それ以降もずっと修行。とにかくストイック。究極のストイックです。
や、凄い。こりゃ、本物の悟りに辿り着くのは相当先、いや、人生において悟りを開くことなどできぬかもしれない。
ま、けどいいや。穏やかに過ごすために良いところだけはいただいて、座禅もほどほどに組んで、色欲の鬼とは今のところ仲良くやる。これ、妥協点ね。
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禅 ZEN 観終わったので穏やかな気持ちで寝ます💤
— 羆 (@poji_higuma) 2018年2月18日